夜の大捜査線の作品情報・感想・評価

「夜の大捜査線」に投稿された感想・評価

まっと

まっとの感想・評価

4.0
黒人がエリートで白人はクズという、当時の観客からすると意表を突いた設定。

思い込みだけで逮捕したり街の有力者の言いなりだったりという腐った田舎の警察署長(白人)と都会からきた敏腕刑事(黒人)の二人を軸に展開する、いわゆる「バディ・ムービー」である。

最初は反発しあっていた二人が事件を通じて協力関係になり、いつしか友情を築くというパターンだ。
この手のものだと二人の関係がドラマチックに変わり最後は無二の親友みたいになるみたいなベタベタな展開も多いが、さすがにこれはアメリカン・ニュー・シネマだけあって、そこは苦く抑えられていて胸焼けしない。

ちなみにこの作品、スパイク・リーによる「映画制作者になりたい人は必ず見ておいたほうがいい映画」のひとつに数えられている。

作品を見てからプロットを書き出してみたのだが、導入でのさりげない伏線、主人公二人の対比、豊かな個性の脇役、巧みなミスリード的展開、中だるみさせないタイミングのよいアクションシーンの挿入、主人公たちの和解と別れにおけるカタルシスなど、まさにプロットのお手本とも言っていい要素が豊かに詰まっている。

オフビートで苦い雰囲気の映画だが、つくりは実にまともなのである。
黒人差別が強い中であれだけの正義感を発揮できるところに感服した!


やっぱりどの時代も知識あるものには敵わないと改めて思ったよ!州によってはあの程度の警察しかいないのも辛いものだなー


被害者の奥さんがまともでよかった
ただラストは少しモヤモヤした
sasataro

sasataroの感想・評価

3.0
白人署長が黒人刑事を認めていくところが良かった。
事件の解決の仕方と話の流れはあまりおもしろいとは思わなかった。
見終わった後しっくりこないなぁと思った。
りほこ

りほこの感想・評価

3.8
町に起こった殺人事件を解決していくミステリーでありながら、白人の黒人への偏見・差別がテーマ。
事件の捜査を通じて、署長は徐々に黒人警官に対し友好的になっていく(彼もまた居場所のない「外れもの」だったから?)。
偏見・差別から受容・歩み寄りという図式で黒人差別を批判する作品だった。制作された時代背景が色濃く反映されているように感じる。

このレビューはネタバレを含みます

「カリフォルニア・ドールズ」との2本立て。新橋文化劇場にて。
目当ては「カリフォルニア・ドールズ」だったけど、どうせ2本見れるのなら…と持ち前の貧乏性を発揮してこちらも観ることに。やー面白かった!!!
ラストで黒人刑事が町を出る駅のホームでのシーン。白人署長が少し躊躇しながら「元気でな」と声をかけ、それに静かな笑顔で答える黒人刑事。このやり取りにグッと来てしまいました。
そして音楽が素晴らしくて。主題歌のレイ・チャールズが最高にカッコ良かったです!
RYUYA

RYUYAの感想・評価

3.5
60年代。アメリカのある田舎町で殺人事件が起こった。
アホな警察官はその辺にいた黒人を根拠もなく逮捕するが、聞いてびっくりそいつはまさかの都会の刑事。
いっつも機嫌悪くてガム噛んでる太った署長を始め、人種差別が根強いクソ町の警察官たちは、滅多に起きない殺しの捜査法に笑えるほど苦戦するも黒人刑事はスラスラと真相に近づいていく。
ハリーポッターを借り暮らしさせていたイヤミなダドリーくんのパパみたいな、いっつも機嫌悪くてガム噛んでる太った署長は、次第に黒人刑事のスペックの高さに、友好的にひれ伏してゆく...というお話。
犯人がどうのこうのよりも人種差別のクソっぷりを明らかに強調して描いたアカデミー賞作品賞受賞作。

田舎町に漂う気配や、横柄で肥えた職務怠慢の警官が机の上に足をあげている感じ。『スリービルボード』を観た人は、きっと同じ空気を吸えるはず。
映画としてはひたすらシンプルで、人種差別の描き方もすごくドライ。
役者の顔も端から端まで全員イヤミったらしいのを揃えていてすごくよかった。年代物だからかなぁ。その中でひたすら誠実で姿勢のいいシドニー・ポワチエの立ち姿・振る舞いが効果的に際立つ。誠実な演出。悪い意味ではなく古典的といってもいいかもしれない。

しっかしまぁ、この映画が1967年に公開されてから、『ドゥザライトシング』〜『フルートベール駅で』〜『ゲットアウト』に至るまで、人種差別映画はどうしても受け継がれちゃっていて、しかも傑作の頻出度が増しているという皮肉さよ。ジャンル映画と化してしまった黒人差別というテーマを描き終える時は、一体いつになったらくるのかなぁ...
そうゆう意味では『ムーンライト』のような映画がある種の希望の光なのかもなぁ...とか思ってみたり。
人種差別真っ只中の時代に公開された刑事サスペンス。
黒人と白人の壁が徐々に取り払われて、互いに捜査に協力し合う流れが素晴らしい。

物語自体はそれほど斬新とか驚愕という要素はありません。
しかしアメリカ南部の土地柄を表したような蒸し暑さを感じる演出や、登場人物一人一人のキャラの描写の深さは一級品。

そしてこの映画が公開されていた時の時代背景を考えると、名作や傑作と呼ばれるのも頷けます。

近い作風の映画で「ミシシッピー・バーニング」も併せてお勧めです。
だんご

だんごの感想・評価

3.5
黒人に対する偏見は、昔の映画も今の映画にも出てきて本当に根深いものを感じる。
音楽とかセリフの言い方とか、昔っぽくて時代を感じた。
「大捜査線」という感じはしなかったけど、反発しながら、でも互いを見つめてちょっと理解できたかなっていうところで別れるところが、程よかった。
KAZUKI

KAZUKIの感想・評価

4.0
偏見と差別が渦巻く60年代のミシシッピ州で起きた殺人事件の犯人探しのミステリーとは別に人間ドラマの描き方がとても秀逸だった。初めは、シドニーポワチエ演じる黒人のバージル刑事に友好的ではない白人のビル署長が徐々に彼を認めていき敬愛を示す最後の場面が印象的だ。だが、あくまでどことなく距離を置いてる感じが当時のアメリカが公民権運動全盛だったため、リアルな実態を写していて(白人から襲われる場面がちょくちょくあるし)、2人のリアルな関係性からも見て取れる。ここがシビアで社会派な演出だった。
シドニー・ポワチエの不退転の格好良さ!「ああ、あの時代の南部モノね」と嫌わずに是非!確かに胸糞悪くなるような差別ネタなのだが、展開がスリリングで、心理描写もあり、エンタメとして成功している。遠景のショットが素晴らしく、こういう画を最近は使用しないなあと残念に思う。他にもあおったり、映し込んだり工夫されていて楽しい。惜しむらくは音楽の入れかたがダサい…。「お前の所為で妹は傷物だ」という台詞がレーダーに引っかかるので、フェミニズムに関心がある方にもお薦め。
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