夜の大捜査線の作品情報・感想・評価

「夜の大捜査線」に投稿された感想・評価

アメリカ南部の小さな町で殺人事件が起こります。そんな町に乗り継ぎかなんか忘れましたが、降り立った黒人が容疑者として警察に連行されます。黒人だからというだけで連行されちゃうんですね。くそです。ほいで、実はその黒人は優秀な刑事だと判明して殺人事件の捜査に協力することになります。
署長と黒人刑事との関係がとても良かったですね。署長は悪態つきがちですし、差別的だし、誤認逮捕しまくりでやや暴走気味なんですが、なんか孤独を抱えてて人間味があり、ちょっと好きでした。最初は牽制しあってたけど徐々に信頼度が増していって最後には友情まで芽生える系わりと好きです。
元祖ブラックムービーというか、黒人刑事シドニー・ポワチエがとにかく格好良い。主演ロッド・スタイガーとの掛け合わせも絶品で、飽きることなく観れるサスペンスエンターテイメント。

はっきり言ってノーマン・ジュイソンの映画というよりも脚本を書いたスターリング・シリファントのカラーが強い作品。この手の活劇には欠かせない存在だったシリファント氏。どの監督と組んでも同じように見える。

冒頭とラストで掛かるクインシー・ジョーンズのソウルフルなテーマ曲は今もお気に入りのナンバーの一つ。
横山

横山の感想・評価

4.5
とても面白かった!
ジャックリーチャー感半端ない、というかジャックリーチャーが夜の大捜査線感が半端ないのだね。

やっぱクリストファーマッカリーがジャックリーチャーの続編作ってくれ!!!
ミステリーとしても面白いし、南部の根強い人種差別を描いたドラマとしても面白い。

ストーリーや演出、そしてレイ・チャールズの主題歌を含めて、この後の刑事ドラマに圧倒的な影響を与えたのがよくわかる。

たまたま立ち寄った南部の町で殺人犯と間違えられた黒人刑事バージル・ティップス(シドニー・ポワティエ)。

すぐに嫌疑がはれたものの、行き掛かりでその殺人事件を一緒に捜査することになる。

現地の警察は、新任の署長(ロッド・スタイガー)はじめ素行の悪い警官(ウォーレン・ウォーツ)や検視もできない医者など、頼りにならない人々ばかりで、おまけに人種差別が根強い町ということで、黒人刑事に協力しようとする者は皆無だった。

ポワティエ、スタイガーの演技合戦が見もの。静の演技で時おり感情を爆発させる二人の芝居が素晴らしい。

偏見の強い町の人々にポワティエも態度を硬化させるが、それまで彼と対立していた署長から「なんだ、お前も俺たちと同じじゃないか!」と言われるシーンがある。

これがこの映画の肝であるように感じた。

最後までポワティエのことを“ミスター・ティップス”と呼ばずファーストネームの“バージル”と呼ぶ署長は、ラストシーンでも彼のことをやはり“バージル”と呼ぶ。

その言葉にはそれまでの黒人への侮蔑的な響きは一切なく、心から親しい友への感謝の気持ちが感じられる。

ちょっとしか出演してないけど、被害者の妻を演じたリー・グラントや、堕胎を引き受ける黒人女性を演じたビア・リチャーズも印象的。
ちなみにビア・リチャーズは「招かれざる客」でポワティエのお母さん役の人ですネ。

■映画 DATA==========================
監督:ノーマン・ジュイソン
脚本:スターリング・シリファント
製作:ウォルター・ミリッシュ
音楽:クインシー・ジョーンズ
撮影:ハスケル・ウェクスラー
公開:1967年8月2日(米)/1967年10月25日(日)
まっと

まっとの感想・評価

4.0
黒人がエリートで白人はクズという、当時の観客からすると意表を突いた設定。

思い込みだけで逮捕したり街の有力者の言いなりだったりという腐った田舎の警察署長(白人)と都会からきた敏腕刑事(黒人)の二人を軸に展開する、いわゆる「バディ・ムービー」である。

最初は反発しあっていた二人が事件を通じて協力関係になり、いつしか友情を築くというパターンだ。
この手のものだと二人の関係がドラマチックに変わり最後は無二の親友みたいになるみたいなベタベタな展開も多いが、さすがにこれはアメリカン・ニュー・シネマだけあって、そこは苦く抑えられていて胸焼けしない。

ちなみにこの作品、スパイク・リーによる「映画制作者になりたい人は必ず見ておいたほうがいい映画」のひとつに数えられている。

作品を見てからプロットを書き出してみたのだが、導入でのさりげない伏線、主人公二人の対比、豊かな個性の脇役、巧みなミスリード的展開、中だるみさせないタイミングのよいアクションシーンの挿入、主人公たちの和解と別れにおけるカタルシスなど、まさにプロットのお手本とも言っていい要素が豊かに詰まっている。

オフビートで苦い雰囲気の映画だが、つくりは実にまともなのである。
黒人差別が強い中であれだけの正義感を発揮できるところに感服した!


やっぱりどの時代も知識あるものには敵わないと改めて思ったよ!州によってはあの程度の警察しかいないのも辛いものだなー


被害者の奥さんがまともでよかった
ただラストは少しモヤモヤした
sasataro

sasataroの感想・評価

3.0
白人署長が黒人刑事を認めていくところが良かった。
事件の解決の仕方と話の流れはあまりおもしろいとは思わなかった。
見終わった後しっくりこないなぁと思った。
りほこ

りほこの感想・評価

3.8
町に起こった殺人事件を解決していくミステリーでありながら、白人の黒人への偏見・差別がテーマ。
事件の捜査を通じて、署長は徐々に黒人警官に対し友好的になっていく(彼もまた居場所のない「外れもの」だったから?)。
偏見・差別から受容・歩み寄りという図式で黒人差別を批判する作品だった。制作された時代背景が色濃く反映されているように感じる。

このレビューはネタバレを含みます

「カリフォルニア・ドールズ」との2本立て。新橋文化劇場にて。
目当ては「カリフォルニア・ドールズ」だったけど、どうせ2本見れるのなら…と持ち前の貧乏性を発揮してこちらも観ることに。やー面白かった!!!
ラストで黒人刑事が町を出る駅のホームでのシーン。白人署長が少し躊躇しながら「元気でな」と声をかけ、それに静かな笑顔で答える黒人刑事。このやり取りにグッと来てしまいました。
そして音楽が素晴らしくて。主題歌のレイ・チャールズが最高にカッコ良かったです!
RYUYA

RYUYAの感想・評価

3.5
60年代。アメリカのある田舎町で殺人事件が起こった。
アホな警察官はその辺にいた黒人を根拠もなく逮捕するが、聞いてびっくりそいつはまさかの都会の刑事。
いっつも機嫌悪くてガム噛んでる太った署長を始め、人種差別が根強いクソ町の警察官たちは、滅多に起きない殺しの捜査法に笑えるほど苦戦するも黒人刑事はスラスラと真相に近づいていく。
ハリーポッターを借り暮らしさせていたイヤミなダドリーくんのパパみたいな、いっつも機嫌悪くてガム噛んでる太った署長は、次第に黒人刑事のスペックの高さに、友好的にひれ伏してゆく...というお話。
犯人がどうのこうのよりも人種差別のクソっぷりを明らかに強調して描いたアカデミー賞作品賞受賞作。

田舎町に漂う気配や、横柄で肥えた職務怠慢の警官が机の上に足をあげている感じ。『スリービルボード』を観た人は、きっと同じ空気を吸えるはず。
映画としてはひたすらシンプルで、人種差別の描き方もすごくドライ。
役者の顔も端から端まで全員イヤミったらしいのを揃えていてすごくよかった。年代物だからかなぁ。その中でひたすら誠実で姿勢のいいシドニー・ポワチエの立ち姿・振る舞いが効果的に際立つ。誠実な演出。悪い意味ではなく古典的といってもいいかもしれない。

しっかしまぁ、この映画が1967年に公開されてから、『ドゥザライトシング』〜『フルートベール駅で』〜『ゲットアウト』に至るまで、人種差別映画はどうしても受け継がれちゃっていて、しかも傑作の頻出度が増しているという皮肉さよ。ジャンル映画と化してしまった黒人差別というテーマを描き終える時は、一体いつになったらくるのかなぁ...
そうゆう意味では『ムーンライト』のような映画がある種の希望の光なのかもなぁ...とか思ってみたり。
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