公開時の1926年、新聞の映画評で「ドキュメンタリー」という言葉が初めて使われた映画。監督のロバート・フラハティはドキュメンタリー映画の始祖となった。
無声映画だった当時の作品に1980年、娘のモニカ・フラハティが会話や民謡を録音して付け加え、2014年にデジタルリマスターを施した最新版が本作。
南太平洋の島サモア。大自然の中で生きる人々の暮らしや、島の男性モアナと婚約者のファアンガセ、モアナ成人の儀式などを描いた作品。映像は美しく迫力があり、音楽も心地よい。歌は「歌うというより奏でる」というのは、『あまねき旋律』も同じかな。
個人的にはヤシの木に登るシーンがヒット。そのあたりからだんだんアニメの世界に見えてきた。「南海の島」を舞台にした映画のほとんどは、この映像がもとになっているような気もしてくる。ディズニー映画の主人公のモアナは女の子だったけれど、偶然の一致ではないよね、きっと。
都会に暮らしている人は、こういう原風景みたいな映像を観ると、癒しを感じそうな気もする。忘れてしまった何かを思い出せるのかもしれない。
●物語(50%×4.0):2.00
・当時は衝撃的だったのかな? こういう暮らしも悪くなさそう。大人になるのは痛そうだけど。
●演技、演出(30%×4.0):1.20
・雰囲気良し。
●画、音、音楽(20%×5.0):1.00
・好き。