おさるのじょじへい

ファントム・スレッドのおさるのじょじへいのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
3.8
どこまでも麗しいドレスと風景、そして上品なピアノの旋律。
ああ、流石はアカデミー賞衣装賞受賞作。

本来なら、こんな感想のはずだけど…。
上記に反比例するような、歪みに歪んだ愛憎劇。
敢えてしたであろう、この対比がいいですね。

結局レイノルズは、看病された時に額に当てられた
アルマの手のぬくもりに母を重ね、
一方のアルマは、「好きかも分らなくなったけど、
なんとか振り向かせてやるわ」という女のプライドと
手にしてしまった華やかな生活と立場を失いたくなくて
あの結果にいたったのでしょう。
究極の愛というより、あれは愛ではない。


仕立て屋と言えば…。
パトリス・ルコントの『仕立て屋の恋』に登場する主人公イールも
たいそう気味の悪い男でした。
どうか、実際の仕立て屋のみなさまが変態扱いされませぬよう…。