
両親を早くに亡くしたおすみは、娘らしい華やかな思い出もないままに育った。今は、伯父に任された履物屋で一人住まいをしている。自らの意思とは関係なく、がさつな職人・勝蔵との縁談も決まり、将来に希望を抱くこともない生活を送っていた。 ある夜、おすみの家に突然若い男が逃げ込んでくる。「喧嘩をして追われているのでかくまってほしい」と言う小綺麗な身なりをしたその男は、おすみを“お嬢さん”と呼んだ。その響きに、おすみは心の揺らぎを覚える。危険はないように思え、かくまうことにしたおすみだが、やがて男の名は新七と言い、人を殺めて追われていることを知る。
裏店の⻑屋で筆づくりの内職をして糊口をしのぐ浪人・小谷善左エ門は、同じ⻑屋に住む船頭の吉蔵から、一緒に暮らすお峯の様子を見張るように頼まれていた。元は船宿の女将と抱え船頭だった 2 人は、…
>>続きを読む逢魔が刻。それは、黄昏―。 人の顔は闇に溶け、静けさが街を支配する一瞬の時間。江戸時代、人々は、魑魅魍魎が蠢 うごめ くと言われるその時刻を畏れをもって迎えた・・・ 初秋の頃、江戸・深川。…
>>続きを読む愛すべき商店街と合唱団を守るべく、再開発阻止に奔走する宇佐木たち。一方、ヤクザ社会での列島制覇を夢見る宇佐木の良き相棒・片岡は、狡猾な武闘派ヤクザ・桐原と麗華の口車に乗せられてしまい、単身…
>>続きを読む慶応三年――――幕末動乱の時代。 将軍徳川慶喜による大政奉還がなされ江戸幕府が解体に追い込まれようとする中、幕府と討幕派の対立は日に日に激しくなっていた。近藤勇・土方歳三率いる新撰組は、…
>>続きを読む倫敦(ロンドン)から届いた思わぬ贈り物によって、チセは奥底に沈めた記憶を思い出す――。幼き頃、ひとに見えざるものとひとの無理解に怯えた日々を。それらから逃げた先に存在していた不思議な図書館…
>>続きを読む辰巳芸者・小しずは、子供の頃に見ず知らずの男に恩を受けた。それから10年が経ち、彼女はその男・小林勇吉と再会。父と慕う米問屋・浅井の元に、彼は流れ着いていたのだった。同じ頃、浅井はあくどい…
>>続きを読む武州三多摩で喧嘩剣法に明け暮れる土方歳三は高貴な女性・佐絵と出会う。そして、宿命のライバル・七里剣之助との対決から5年後。浪士隊に参加した土方は新撰組副長として京洛の巷でその名をはせること…
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