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ゲティ家の身代金のLudovicoMedのネタバレレビュー・内容・結末

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

物語自体は真新しいものはないですが、さすが安定のリドリースコット。

映像の芸術性、異世界感溢れる外国の風景。 建築物一つとっても光の加減でノスタルジックかつどこか神々しい。
屋内のシーンはリドリースコット十八番の薄くスモークをはり、外から射す日差しによってその場所の空気感を表現する演出。
今回はリドリー作品の中でもよりカラーを抑え、暗い画づくりとなっているため、光の感じより、陰影の美しさが特徴的。
特にゲティ邸の美術やローマのシーンは見応えあります。
でも夜のシーンとかは暗すぎてさすがに見づらい。

話自体は二転三転して、面白いは面白いですが、どうも展開が失速ぎみというか、インパクト不足。 悪の法則みたいな絶望の先の残酷性みたいな所まで行っても良かった気がする。 ましてやラストで若干のフィクションも混じってます、とあるくらいだから。

生涯孤独で金と骨董品だけに執着したゲティが最後に求めたものが愛情なんかじゃなく... ってくだりが皮肉が効いてるし、ゲイルもゲティ家の呪縛にしばられたままというのがまさに頭像になって、「見られてる」というラストショットは見事。
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