誘拐狂想曲
ケビン・スペイシーの降板劇により、公開前から注目していた
作品だが、邦題が現代と違っているのには驚いた。
ともあれ齢80を超えるリドリー・スコットが驚異的な力で完成にこぎつけた本作は、まだまだ衰えを知らぬ監督の手腕がいかんなく発揮されている。
わずか9日間で代役として、再撮影を終えたクリストファー・プラマーが、代役とは思えぬ完璧なJ・P・ゲティを熱演。ケビン・スペイシー版もこれはこれでおそらく完璧だったのであろうが、プラマーは世界一の富豪の傲慢さと人間の弱さの2つを見事に体現している。
リドリー・スコットの作品では、「テルマ&ルイーズ」然り、女性が活躍が目立つが、本作でもミシェル・ウィリアムズの熱演が光る。