三郎丸

工作 黒金星と呼ばれた男の三郎丸のレビュー・感想・評価

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)
4.1
【ムダに声デカイヤツには気をつけて!】

朝鮮半島の男たちの野望陰謀策術という政治劇。

本作品は、
ビジネスマンを装い、北朝鮮に潜入した黒金星と呼ばれた実在の工作員の活動を描いています。

1997年、野党大統領候補金大中の選挙での勝利を背景として、与党のダーティな画策の中のエピソードの一つなのですが、地味な俳優や絵で興味をひけないなら
【スリリング一辺倒】
とばかりのハラハラ展開!

本作品の根底にあるのは
【人間が持つ虚栄心、光と影】
それを求めた先には何があるのでしょう?

主人公の工作員が見た北の現状、工作員としての自分に疑問を抱く、そしてまた北の高官にもそれを憂いている人もいる。
(北の描写(特にスラム化した町の片隅)は真実ではないのかも知れませんが…)
登場人物らが命懸けで選んだ道の先に、歴史を一歩進めた韓国の野党勝利があった。

工作員役ファン・ジョンミン
・笑顔の使い分けが素晴らしい。作品中盤から後半のひきつらせた笑顔は必見!
・登場時はインチキ臭いオッサンゆえに最後の表情がとても印象的。

北の高官役イ・ソンミン
・国を想い淡々と行動。主人公とは違い表情を殺す演技がひたすら素晴らしい。
まさに陰と陽!

他国の話題はニュースでもあまりしつこく取り上げないので忘れがちですが、隣国です。
安易に眼を逸らしてはならないと思います。

オマケ
10年くらい前、北の何とか○連の方と話したことがあるのですが、突然
「何言ってんだ!!」
とものすごい大声でキレられ、その時の眼に感情がなかったのは怖かったです。
普通の人は、激昂すれば表情や顔色が変わるのですが、一切ないんです…
あ!あまり詳しく書いて消されるのは勘弁なので終わります!!
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