バルバワ

プーと大人になった僕のバルバワのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
4.0
前回『ザ・プレデター』のレビュー冒頭で今作を無理矢理絡めましたが、実際に似てるシーンが!具体的に言うとどちらの作品も主人公が乗り物に乗りながら現実では考えられない生命体を見た、と仲間に言って小バカにされた瞬間にその生命体が出てくる…というシーンがありました。私は小さく身を震わせながら鑑賞致しました!

いやぁ…こんなに泣かすなんてっ、プーのおバカさん!!ブワッ(;´Д⊂)
因みにプーさんには私がまだパグ犬だのシロイルカだのと周囲から揶揄される20年以上前、自分を和製マーコレ・カルキンと吹聴していた幼少期からお世話になっており、今では我が家の枕になってくれています。

あらすじは色んなことを経験しついには社畜に成り果てたクリストファー・ロビンがウン十年ぶりにプーさんと再会する的な感じです。

今作のクリストファーはそれこそ一昔前なら鉄拳さんが「こんなクリストファー・ロビンはイヤだ」的なネタにしている感じの仕上がりでした。
例を上げると部下にはドライ、上司(社長のバカ息子)には甘いクリストファー。近所付き合いも希薄でお隣さんが「トランプしよっ」とのお誘いを突っぱねるクリストファー。また基本的に家庭は省みないので奥さんには休日の家族キャンプの頭数に入れらていないクリストファー。

また、父親としてもポンコツなクリストファー。娘の言い分は聞かずに自分の価値観を押し付けてきます。クリストファー…もう、こんなクリストファー・ロビンはイヤだ!


ただ、このポンコツ父親っぷりには明確に理由があると思います。クリストファーは娘がまだ赤ちゃんだった頃には戦場におり、戦場から帰還したら娘は3,4歳くらいになっていました。
つまり0,1,2歳の言葉も通らず抑制の利かないイヤイヤモンスターだった頃の娘と彼は接していないので子育ては自分の思い通りになると思い込んでおり、父親になる段階を跳ばしているから彼は娘に対して横暴なのだと思います。

そんなこんなでクリストファーはプーさんと再会します。プーさんの行動は予測不能で本能の赴くままで大人の理屈が全く通用しません。クリストファーの言うことを聞かず「やれ蜂蜜が欲しい、風船が欲しい」と困らせ、まさにイヤイヤモンスターの頃の子どものようでした。

つまりプーさんはクリストファーの純粋無垢な心の象徴でありつつ、彼を父親としての自覚の起因となっていたのです。実際プーさんと接する内に自分の今までの子育てを見直していきます。

私はクリストファーがプーさんと再会し100エーカーの森で自分を見つめ直すまでの3,40分の間が堪らなく好きです。プーさんのテーマ曲が流れる度に涙も流れ「最高だ…プーさんは最高なんだっ!」と鼻を啜りながら感激していました。中盤まで本当に最高でした!

ただ中盤以降、既視感のありまくるカーチェイスや何とも言えないコメディ展開が割と乗れませんでした。特に会社でのクライマックスシーンはクリストファーの提案に乗れず、言動もなんか「あなたがヒイタチ(プーさん達が怖がっている空想かつ言い間違いから生まれたイタチ)だっ!」と幼稚に聞こえてしまいました(吹き替えでは、クリストファーを堺雅人さんが演じているのでこのシーン全体が半沢直樹感半端なし)。また、クリストファーが家族との絆を回復したのはいいけど他の人達との関係がどのように変化したのが描かれなかったのもモヤモヤしました。

でも、やはりプーさんは可愛いしティガーの歌は聴けるし幸せな二時間でした。フー,ナンモシタクネェ( ´∀`)
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