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THAT/ザットのhorahukiのレビュー・感想・評価

THAT/ザット(2016年製作の映画)
3.2
『イット』ならぬ『ザット』
絶対『イット』のパクリ邦題出てくると思ってましたけど、こう来るとは(笑)
今度は「あれ」が来るということなので、早速レンタル!

あらすじ…
原因不明の突然死で友人を失った仲良し5人組。彼らのスマホに、亡くなった友人からとあるアプリへの招待が届く。深く考えずにインストールすると、それはSiriのようなアプリだった。最初は便利に使ってたけど、次第に異変を感じ始め…という話。

思ってたより面白かったです。ティーン向けホラーとしては及第点じゃないですかね。当たり前ですけど、去年公開の『イット』には到底及びません。でも何も考えずにライトなホラー見たいな〜って時に見ると割と楽しめるんじゃないかなと思います。

5人組の元にザットが襲いにやってくるって内容なんですけど、アプリのインストールが原因になったり、SNS等からスマホ使用者の情報を収集し、それぞれが恐れるものに姿を変えて襲ってくるっていうのが新しい。それに『イット』っぽい。ネット上に散らばってる情報や、誰もが常に携帯してるスマホを通して情報を集めるという、ハッキング的な現実の恐怖と連動させてるのも今風で良いですね。

ただ、気になるところも多かったです。まずシーンの切替が雑だし、登場人物を描かな過ぎのせいで中盤以降の物語の求心力が弱いんですよね。恐怖シーンのバリエーションはそれなりにあるし、ザットが登場人物を弄んでる感じが、襲うのに殺さないことに説得力をもたせてて良いと思うんです。でも、あんまりザットに対処しようという意思が登場人物から感じ取れないうえに、内面が見えないせいで物語の都合上解決策を無理矢理ねじ込んだんじゃないかという製作陣の意図が見える雑さが残念。

それと取って付けたような人種差別批判的な描写は不要じゃないかな〜と。やるんならあんな片手間みたいな扱いじゃなくて、もうちょっとしっかり描かないと。それも含めて、各人が怖がるものを出すのは良いと思うんですけど、その説明がどれも雑すぎて物語から浮いちゃってるように思います。

ダメな部分の方が多いし、全くオススメできるような作品ではないですけど、私はそれなりに楽しめました(*^^*)
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