河豚川ポンズ

ニンジャバットマンの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ニンジャバットマン(2018年製作の映画)
3.9
バットマンだけどバットマンじゃないような、でもこれやっぱバットマンだったわって映画。
観る前の印象はとにかく声優がクソ豪華ってイメージしか無かった。

ゴリラ・グロッド(子安武人)の発明した装置により突如日本の戦国時代にタイムスリップさせられてしまったバットマン(山寺宏一)。
周囲にいたヒーロー・ヴィランもろともこの時代に飛ばされた様だが、なぜか自分だけが他よりも2年遅れて飛ばされてしまったようだ。
しかしその時代は史実とは異なり、ジョーカー(高木渉)とハーレイ・クイン(釘宮理恵)が尾張の国の大名として君臨し、天下統一をせしめんとしていた。
装備も兵力も圧倒的に不利な状態でバットマンとバットファミリーたちはそれでもヴィランたちに立ち向かうのだが…

脚本が「天元突破グレンラガン」の中島かずきだということだけあって、ラストに近づけば近づくほど荒唐無稽というかめちゃくちゃというか、正気でこれが思いつくならどんな頭をしているのかと気になってしまう。
最後のジョーカーとの闘いは本当に文句なしの名勝負だった。
ただグレンラガンの時ほどはっちゃけきれてないのか、勢いや熱量は控えめだったと思う。
十分はちゃめちゃしてて面白いけど。

でもそのはちゃめちゃ感が観たかったものかと言われると、あまり自分としては歓迎できるものではなかったように思う。
バットマンはやっぱり頭と道具と技を使って追い詰めてのであって、根性や勢いとは少し距離を置いたものだと思ってた。
こんなバットマンが1つぐらいあっても良いよねと言われたら元も子もないし、そもそも面白く無いわけではないのでそこまで目くじら立てて怒るようなポイントでは無いが、もうちょいそこらへんのクールなバットマンを見せて欲しかったように思う。
ガジェット関係とかデザインはとにかくクールなのに…

それより気になるのはバットファミリーや他ヴィランの活躍の少なさ。
ロビンも5代目までいるのに肝心の戦闘シーンは少ないし、デッドショット、ペンギン、アイビーに至っては本当にただの置物レベルで悲しかった。
せっかく本編自体が1時間半無いくらいなんだから、せめてもう少し長くしてその辺りに割り振って欲しかったなあと観終わってからずっと感じる。