ぎー

交渉人のぎーのレビュー・感想・評価

交渉人(1998年製作の映画)
3.5
【F・ゲイリー・グレイ特集1作品目】
"IQ180の駆け引き"
ほぼ間違いなくネゴシエーターを題材とした映画史上最高傑作。
そもそも、"ネゴシエーター"にこんなに焦点を当てた映画は他に無いかもしれないが。
ファンの方には申し訳ないが、邦画の『交渉人 真下正義』シリーズなんかとはクオリティが違う。
極めて論理的でヒリヒリする。
ちょっとSWATチームやFBIをポンコツに描きすぎてるキライはあったけど。
映画は終始サミュエル・L・ジャクソンとケビン・スペイシーの独壇場。
論理的な駆け引きだけが2時間繰り広げられると、いかにそのクオリティが高くても盛り上がらない可能性もあるけど、高層政府ビルで人質を取って、警察総動員のうえ、何度か突入を試みるなどアクション要素もしっかりあって、一瞬で上映時間が終わった。

サスペンス映画としての脚本も満点。
誰が警察年金横領事件の犯人なのか、主人公の同僚殺しの犯人なのか、ラストまで全くわからない。
警官全員が疑わしいから。
日常的に僕らは基本的に警官を信じて日々の生活を送っているけど、圧倒的な公権力を持つ警察がダークサイドに落ちた時、いかに最悪の事態なのかということをつくづく思い知らされた。

それにしてもあれだけ主人公ダニーを殺そうとしてたSWATの指揮官ベックが無実だったとは。
無実だったにしては、ダニーを殺そうとし過ぎていた気もするが。
また、ダニーが指名したネゴシエーターのセイビアンは天才だった。
ラストで全員を欺くためにダニーとセイビアンで殺害のフリをするが、初対面であの連携はすごいと思う。
職業病というやつなのかな。

内容が凝縮しているのにアクション要素もしっかりある、楽しさとクオリティを両立した傑作だった。
ぎー

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