140字プロレス鶴見辰吾ジラ

名探偵ピカチュウの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)
3.6
【ライアン・レイノルズ】

人間とポケモンが共存するファンタジー世界のルックはCG丸出し+ポケモンをリアルにしたらキモいやろ?しゃーないから可愛さを残して…という鬩ぎ合いの中、強引な感じはあるものの、割とハートフルなクライマックスやダイナミックな中盤~終盤の転換点、そしてエイリアンのオマージュをポケモンの設定上で作り上げる“モンスター”と人間のる世界観を再認識させる瞬間はときめいた。

むしろ本作で一番スペクタクルでダイナミックなシーンはレジェんだりーピクチャー製作の本作と、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」における準備運動だったのでは?と思わせるシーンもあり、ハッと思わせられ、加えてキュートなポケモンの世界観に影のように落とさせる凶暴化のシークエンスは、やはりゾンビ映画の系譜に近い“モンスター”という世界観にフィットしたホラー性となった。

「名探偵」と冠についているが正直帽子をピカチュウが被っているだけで、推理に関してはお茶を濁し慌ただしいだけの本作も、人類のトランスヒューマニズムにおける別ベクトルの進化への願望を繰り出してきたのが新時代っぽいし、そこに至る伏線の張り方は割としっかりしていて、推理=辻褄合わせの今年のコナン映画のようになってしまっているが、それがラストのハートフル体験へと昇華できているので及第点は上げたい作品。

本作はメタモンファンの皆様には心に残る癒しと恐怖が届けられているのではないでしょうか?ピカピカ可愛いライアン・レイノルズ=ピカチュウご堪能を。