平野レミゼラブル

響 -HIBIKI-の平野レミゼラブルのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
4.0
本作の平手友梨奈演じる響なんですが、ポスター見た時から自分の中での『2018年度美少女ランキング第1位』に君臨。気になってはいたものの見る機会を逸し、今年に入ってやっと鑑賞したのですが、いやあ作中でも終始ベスト眼鏡美少女として動いていたのが圧巻でしたね。ジャケット詐欺じゃなかった!!
そんな美少女アイドル映画として一定以上の強度を保った秀作だと思います。

本作の響は「私は曲げない」の言葉通りに、一切の妥協や嘘をつかない性格。
そして天才的な文才を持ち、自作『お伽の庭』が周囲にとんだ波乱をもたらしていく。
ちなみに『お伽の庭』の内容自体は1フレーズも語られることはないので、日本文学界という舞台も含めてマクガフィンに過ぎない。別に響が取り組むのが漫画でも、絵画でも、料理でも物語自体は成り立つ。
重要なのは響が天才にして、自身の信念や価値観にのみ従って動く狂人であることを一貫して描いているということだ。

作中での彼女の価値観の行使は大体暴力沙汰となる。
暴力を振るわれる相手も「嫉妬して女子高生に嫌がらせをする中年のオッサン」や「自身の才能にイキッて他人の作品も読まずに酷評する若手作家」、「粘着質な取材を敢行する上、言いがかりめいた質問しかしない記者」なので一応の筋は通ってるが、『スカッとジャ◯ン』や『ク◯エの流儀』みたいなムズムズする感じもまああるっちゃあるのは事実。
しかし響自身が周囲から明確に狂人として扱われているのと、暴力自体が「顔面回し蹴り」「パイプ椅子殴打」「投擲ひるませからのドロップキック」と思いきりが良すぎるため笑いのが先にこみ上がってくる。
おどれはプロレスラーか。
美少女のアクション部分もしっかり『魅せる』あたり、正統なアイドル映画と言える。
流石に同級生のアヤカウィルソンや編集者の北川景子は真っ当な善人で、巻き込まれるのが可哀想だけど。

前に冨樫先生が「分類としてはホラー映画」って評してたと思うんだけど、それもわかる気がするんだよなァ。
完全に響はホラー映画のスラッシャー役。いやアイドルを捕まえてスラッシャー役って評するのもどうなんだよって感じだが、ホラー映画のアイドルって殺されるボインなネーチャンじゃなくて、やっぱり怪物の方だし…。うん、そう考えるとやっぱり響はジェイソンとかフレディみたいなもんだわ。

というわけで僕は超絶可愛い美少女スラッシャーHIBIKIちゃんが、また華麗なキックを炸裂させる続編を心待ちにしております。
オススメ!