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未来のミライのYACCOのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.5
3年に1本のペースで新作を発表しているらしい細田監督の最新作。
3年に一度にも関わらず、細田監督の新作と聞くと夏を思いだすのは何故だろうか。そして今作の「未来のミライ」も夏らしい爽やかな映画だった。

好評をはくした(と私は思っている)「サマーウォーズ」から細田作品のキーワードのひとつともいえる「家族」の姿を通して描かれる物語は、いささか盛り上がりに欠けるものの、主人公くんちゃんの可愛らしさ、そして何より美しい映像は見ているものを惹きつける。何故だかわからないが突然起こる様々な事象については、おおらかに受け止めてみることをおすすめしたい。

今作は細田監督が「家一軒と庭一つの物語」といっているように、コンパクトにまとめたのか、ひとつひとつのエピソードはさすがの珠玉の出来にも関わらず、淡々とすすんでしまった感が否めない。なんというか、盛り上がりや疾走感にかける、ような、気がする…(もしかしたら、細田監督はこれまでとは違うものを目指しているのに、私がついていけないだけなのかもしれない。とはいえ、過去作に好きな映画があるとついつい期待してしまうのもファン心理とでもいおうか…)

しかし、映画を見ながらくんちゃんの姿にほっこりしたり、思わず微笑んだりし、映画を見終えた時には、私のなかを爽やかな一陣の風が吹き抜けて、心があらわれたような気持にさせてくれるのは確かで、また3年後になるのかどうかはわからないが、夏になり細田監督の映画が公開されると聞けば、恐らく私は足を運ぶのであろう。
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