神戸典

15時17分、パリ行きの神戸典のネタバレレビュー・内容・結末

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

始まりから1時間20分間は3人の男の幼少期から成長の過程を描いている。
そして、大人になり2人は軍人に、1人は一般人として生活していた。
休みを合わせて3人はヨーロッパ旅行に行くことを決め、休暇を存分に楽しむ。
そしてフランスに行く為の列車で事件は起きた。イスラム過激派の1人の男が銃弾300発も持ち、テロを起こそうとしたがスペンサーが勇気を持って男に飛びかかり、1人も死者を出さずに捉えることに成功する。
スペンサーに続き、仲間のアンソニーとアレクも立ち向かった。

スペンサーらの素晴らしかったのは勇気を出して飛び出し、さらに負傷者の手当に尽力し見事命を救ったところにある。

3人の英雄の友情やこれまでの行き方がその時の決断に繋がるということを伝えている。
さらに名匠クリントイーストウッドは主役3人を本人に演じさせている。列車の乗客の多くも当時その場にいた一般人をキャスティングし、どこまでもリアリティーを追求している。
現時点で彼の作品の作り方は実話を基にした作品の中で一番実話に近い作品だろう。

作中でも台詞があるように、過去を振り返れば自分が何を優先して来たのかがわかる。それはつまり、未来の過去である今をどう生きるかがこれからの未来での行き方を選ぶことができる。
1時間以上もの長い前置きからの一瞬の事件シーン。それは英雄とは得てしてとても大きな事をしたというわけではない事を物語っている。もちろん、今回の行動は十分に大きなものであるが、大切なことは大小ではなく、そこまでの過程を築きここぞという時に一歩踏み出せるか、手を差し伸べられるかであると伝えている。

今を生きる私たちに対して毎日に意味を持ち、未来を見つめて一つ一つ行動しろ。
そうしないと何かあった時に足が止まってしまう。そんな風に言われている気がした。
神戸典

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