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ヘル・フロント 地獄の最前線の東京キネマのレビュー・感想・評価

4.0
ドンパチは少ないけど臨場感があって中々響いてくるものがありました。しかしながら、最前線の中隊に配属されたラーリー少尉が中学生にしか見えず、従って、中隊長とのかつての友人関係や、あるいは妹の許嫁でもあるとか、えっ? 嘘だろ? ってくらい関係性が連想できず、そのため本来は信頼しあってただろう、平時の関係性も良く見えず、ただただ中隊長スタンホープの精神性の弱さや、どんどんイラチになってゆくダメ男が見せられるだけで、頼りない中隊長だなあ、の話で終わった感があります。まあイギリス人に限らず、欧米人(いやアジア含め世界中かも)だったらそうなのかもしれませんが、日本人と違って、最終の段階になっても覚悟を決めれない姿勢は情けなくて見てられません。

話代わって、ある記者が「高度経済成長期、日本全体が輝いていた昭和30年代、サラリーマンは夜になると居酒屋で暗〜い演歌を聴きながら泣いているのを見て、日本人は不思議だなあと思ったんですが、なんなんですかね?」とある文芸評論家に聞いたところ、「日本人はね、慟哭の内に決意して、微笑の内に決起するんだよ。特攻隊の記念写真を見てご覧。みんな笑っているから」と。正確には覚えていませんが、こんなニュアンスだったように思います。日本人は一度覚悟すると強い(今はそうでもないですが)。これは日本人最大の美徳です(なので、でした、です)。だから、この映画のように、しっかりと覚悟せず、最後までピーピー言っているような人間は好きになれないし、そんな葛藤を見せられても、お前には◯ンポが付いてねえのか!(LGBTQさんには失礼!)、と言いたくなって仕方ないのです。。。
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