馮美梅

万引き家族の馮美梅のネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

先行上映で鑑賞。あっ、別にカンヌで賞を貰った作品だから観に行ったわけではありませんので悪しからず。その前から気になっていた作品だったので。

それぞれの関係性の説明は後半まで殆どなく、万引きを生業にしてるのかといえば必ずしもそうではない部分もあり…

誰も知らないから年月が流れても、親と言う名の大人の理不尽に子供達が振り回されているのは悲しいよね。でも、ニセモノの家族でもりん(ゆり)ちゃんにとっては本物以上に本物の家族だったんだろうな。

胸にグッとくるシーンは海水浴に行こうということで水着を買いに行くシーン。りんちゃんに好きなものを選ばせようとしたら、好きなものを買ったら後で母親から怒られると聞かされた信代、その後のお風呂のシーンで、本当に好きな子にはこうしてぎゅーってしてあげるんだよと、りんちゃんを信代が抱きしめるシーンと、みんなで海水浴に行って無邪気な様子を見ている樹木希林さん演じる初枝のまなざし。

そして、警察に保護されて帰ったゆりだけど相変わらずの母親に対しても、以前とは違い、「この人は私の事を愛してない」と悟り謝らない姿。めちゃめちゃな家族でも、人を愛する、愛されるということを教えてもらった。きっとその愛を胸に生きていて欲しいとなヶわずにはいられない。そして、もし、分別のつく歳になって、もしかかれらの事を忘れてなかったら、いつかまた、あの家族に会えるといいなと。

樹木希林さんが歯がないと初めてこの作品のポスター見た時誰かわからなかった(笑)安藤サクラさんは母となって、(出産後に撮影だったからだろうけど)肉感が良かったし、最後の取調室での表情は今まで以上に子供達の行く末を案じる母親のように感じれて実際母となってより演技の幅が広がったように感じられて素晴らしかった。

しかし、自分的ツボは、始めに工事現場のバンの中に毎熊さんがいて笑った(変な意味ではなくて)

しかし、気になったのは、松葉杖使い方間違ってるってば!杖は怪我と反対側につかないと意味ないんです。本当に誰か教える人いないのかしら?例えギプスで固定して多少歩けるとしても、使い方間違ってるのはマジいけませんよ。

最後、祥太と治のお互いを思いやる会話と別れ…祥太が大人に感じられた。何年後か違う形でまた家族が再会できるといいなと思わず思った。
馮美梅

馮美梅