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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
(原題:Once Upon A Time In... Hollywood)
60年代に実際にハリウッドで起こった、女優シャロン・テートが胎児もろとも惨殺された事件にインスパイアされた、ハリウッドの内幕を描いた物語
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あらすじ
スター俳優のリック・ダルトンは、自身が落ち目の俳優になっていると嘆き、それに伴って仕事が減っている相棒のスタントマンのクリフ・ブースに泣きつく。
その日に帰宅した際、2人は隣に越してきたばかりの監督のロマン・ポランスキーが、妻の女優シャロン・テートを連れ添って出掛ける姿を見かける。
シャロンは誰もが目を引かれる美人で奔放な人物で、あのスティーブ・マックイーンですら彼女の虜だった。
しかし本人は至って真面目にポランスキーを愛しており、自身の出演作『サイレンサー第4弾/破壊部隊』をお忍びで劇場に足を運んで、観客の生の反応を見て純粋に喜ぶ、健気な素顔を持っていた。
リックは苦渋の決断の末、クリフと共にイタリアへ渡って、半年間で4本の主演映画を出して成功し、現地で妻を娶って帰国した。
一方シャロンは妊娠8ヶ月を迎え、撮影のために家を留守にしているポランスキーの代わりに友人たちと過ごしていた。
そうして迎えた運命の日、1969年8月9日。
あの忌まわしき事件が起こるーーー。
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感想
さすがタラちゃん、長い
まとめようと思えばもう少しまとめられるはずなんだけど、フィルムならではの芳醇で濃厚な画が長時間楽しめるから、タラちゃんの映画は好き嫌い関係なしに観てしまう
いやもう、最後はとことん打ちのめされた
展開に「あれ?」ってなってからは、あれよあれよと話が進み、怒濤のエンディングまで一気に突っ走る
一言だけ言えるとしたら、これは「映画」だということ(観た方はきっと意味がわかると思うw)
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ソニー/コロンビアの60年代仕様のロゴから、一気にその時代に引きずり込まれる
多分この時代のハリウッド事情を知っていれば知っているほど楽しめる小ネタが満載で、1度ではとても追いきれないほど情報量に溢れてるので、これはいずれソフト買うと思うw
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メイキングを少し読んだところ、アナモフィックレンズを使用したワイドスクリーンの35mmフィルム撮影を基本としつつ、部分的に35mm白黒フィルム、16mmフィルムやスーパー8まで、様々にフィルムやカメラを使い分けたそう
劇中映画として1:1.33画角のドラマ映像やコマーシャル映像を作ったりと、技の細かさにフィルム大好きタラちゃんのフェティシズムを感じずにはいられない
劇中にもシネラマのような古き良き上映形式が登場していたり、劇場オタク的にはたまらない要素が全開
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また出てくる登場人物のほとんどが実在の人物で、スティーブ・マックイーンやらブルース・リーやら、よくこんな似てる俳優見つけてきたなと思うくらい、雰囲気がそっくりな俳優ばかり
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シャロン・テートを演じたマーゴット・ロビー、僕と同い年でとても好きな女優
ある時はハーレイ・クイン、またある時はトーニャ・ハーディングと、作品ごとに全く違う顔を見せてくれる、とても面白い若手女優だと思う
初めて知ったのが、ディカプリオと夫婦役で共演していた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』だったので、綺麗な裸体を惜し気もなく晒してたイメージが強かったけど、ここ最近の演技の幅広さはやはり元々の実力なんだなと思う
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極めつけはブラッド・ピット
物静かなのに手の付けられないイカれたオーラを感じる、リックの相棒のスタントマンのクリフを颯爽と演じていて、最高にクールでクレイジーだった
最後まで観て、ブラピがアカデミー賞にノミネートされた理由に納得
これはきっと助演男優賞獲ると思う
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レオナルド・ディカプリオはもはや説明不要
リック・ダルトンの悲喜交々をこれ以上無く情感たっぷりに演じて、堂々の主演男優賞ノミネート
もう圧巻、今年の主演男優賞は『ジョーカー』のホアキン・フェニックスか本作のレオのいずれかが相応しいと思う
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これは無理してでもスクリーンで観ておけば良かったな
もしフィルムでの上映とか奇跡的に決まったら、絶対に観に行く