このレビューはネタバレを含みます
『ディリリとパリの時間旅行』
(原題:Dilili a Paris)
利発な少女ディリリが、ベル・エポックの時代のパリの偉人を巻き込みながら、パリで頻発する女性誘拐事件に挑むお話
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あらすじ
ニューカレドニアを抜け出し、パリで行われていた博覧会に原住民役で出演していた少女ディリリは、三輪車乗りの若者オレルとひょんなことから親しくなり、博覧会後にオレルに連れられてパリ見物に行く仲になる。
しかし、フランス語が堪能で利発なディリリは、“男性支配団”と呼ばれる、女性を誘拐して男性に忠実になるよう徹底的に教育する、悪の組織に狙われる。
正義感の強いディリリとオレルは、オペラ歌手エマ・カルヴェの助力を得て、男性支配団の悪事からパリを守ろうと奮闘するーーー。
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感想
アニメーションだからこそ描ける、ベル・エポックの時代のパリの冒険絵巻
僕自身、『アズールとアスマール』をオールタイムベストに入れる位、ミッシェル・オスロは大好きで、新作発表を知って楽しみにしていた
本作でもそのアーティスティックな手法と、その時代にタイムトリップしたかのような空気を感じる映像表現が見事
ベル・エポックの時代のパリは、本当に様々なアーティストが凌ぎを削っていた時代
主要キャラクターとして登場したオペラ歌手のエマ・カルヴェも実在の人物で、その他にもサラ・ベルナールやキュリー夫人、ピカソやドガやミュシャなど、当時のパリを賑わせた一流たちがその辺を歩いていた、そんな時代だ
ディリリはその肌の黒さから心ない大人には罵られたりもし、パリの明るい部分も暗い部分も知るけれど、それでへこたれはせず、「ああいう大人にはならない」と強い心を持つ子だからこそ、出会う人皆から愛されたのだと思う
最後は「あれ、これで終わり??」と思ってエンドクレジットぼーっと観てたら、その最中に突然エマ・カルヴェが横から出てきて、溜まってた疑問に全部答えてくれたので、親切なのか何なのかよくわからない終わり方だけど、とてもスッキリした
90分程度の長さで、とても観やすくおすすめなので、是非ご覧になってはいかがだろうか