茜

キンキーブーツの茜のレビュー・感想・評価

キンキーブーツ(2005年製作の映画)
4.5
昔から母親に「服にお金はかけられなくても、靴にだけはこだわれ」と言われており、
デザイン性のある靴が大好きで特にブーツが大好きな私にとっては非常に眼福な映画でした。

昔ながらの工場で培われた職人技を過激なデザインのキンキーブーツにぶつけるという斬新さが面白い。
初めはチャーリーの突拍子もない提案や、デザイナーのローラに抵抗感を示していた昔ながらの職人たちが、
次第に理解と共感を持って、その技術をキンキーブーツに対して注ぎ込むという熱い展開。
カジュアルで動きやすいスニーカーや乗馬ブーツも私は好きだけど、
性を象徴したような細くて高く美しいヒールを見ると、やっぱりかっこいいなぁと憧れの表情で見てしまう。

今や高級ブランドもどんどん廃止されて、手ごろなファストファッションが主流となっており、
こだわりや伝統だけで業界を乗り越えることは出来ないという事実が、この映画が公開された年代より更に現実的になっている。
でもやっぱり職人たちの上質な仕事と斬新なアイデアが掛け合わさって産まれたファッションって最高にかっこいいし素晴らしい。

チャーリーの信念と、職人たちの情熱と、ローラの派手でブレない生き方を見ていると、
アンタも綺麗な洋服と最高の靴を履いて街に出かけなさいよ!って言われてるような気がした。
茜