AI殺人がテーマの低予算の近未来SFドラマ。

AIが法廷で「誤作動ではなく、わざと殺した」と供述したことから、AIに心はあるのかという命題を日本チックな刑事ドラマの雰囲気で描いた作品。

設定の着眼点もさることながら、脚本も負けず劣らず良くて、かなり見応えがあった。本格的な予算で改めてリメイクしてもいいぐらいの内容ではあると思う。

少しドラマチックに描きすぎではあるけど、予算を考えればこれぐらい分かりやすくしたほうが見やすいんでしょうし、全体としてまとまりがあったので、ちょっと臭いぐらいの演出はむしろ正解だったと思う。

インディー映画の枠は完全に飛び越えていたので、監督脚本編集の下向拓生という名前は覚えとかなきゃと思いました。

ご当地グルメならぬご当地シネマ。
AIの異常による自動運転での死亡事故。これに対してAIがプログラム上の誤動作によるものか、人間のような感情・意思をもって犯罪を犯したのか、を裁判で立証したり捜査するSFサスペンス映画。

　このコンセプトはAI/自動運転というタイムリーでありながらも、機械の行動原理を法律・法廷劇による人間の尺度で解明する姿は面白いです！大まかなテーマで似た映画だとHerやTAU、エクス・マキナが挙げられるけどセンターラインはもっと地に足のついた構成で、法律と社会情勢を絡むところが日本らしくて好印象かな。インデペンデント映画なのでセットやAIのデザインなどで工夫を凝らした面白いアイデアが散りばめられていて、それも若々しくて良かったです！

　ただ、サスペンス要素が強い部分がこの映画の良さでもあり微妙だなと思う瞬間もいくつかあったかな。なんとなくAIの中身を紐解く過程は理解できなくもないけど、法廷劇を半分近く占めている上にそこで繰り広げられる専門用語がそれなりに多いので、雰囲気でノレて中身については置いてけぼりになったかなと思うところはありました。AIの中身を検証する要素が大きく、むしろAIの在り方を考えるドラマの方が強いです。なので後述する点で自動運転が設定止まりになってる感がしました。
あとAIの誤動作の原因を検証するシーンがあっさりしてたのも物足りなさを感じました。自動運転の誤動作は、プログラムミス、ハードウェアの突発的な故障、外部からのハッキング(テスラみたいな事件)、機械学習を経て感情が芽生える…など、いろんな原因があります。そういったSFのサイエンスの要素をどう深堀するかを期待してた部分があったけど、解析したとアッサリ終わってしまってテクノロジーを解明する過程はもう少し欲しいかなって思いました。

インデペンデント映画なので、やってる映画館が物凄く少ないけど東京や名古屋でも上映されるそうです。お近くに住んでいる人はチェックしてみてください。

• #映画センターライン

AIを相手取った裁判劇。結構な斬新さがあってこの題材をとことん追求してやろうという気概を感じた。今作もプロットに荒さがあって突然男に襲われるシーンは意味わからなかった。