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紅い服の少女 第二章 真実の消費者のレビュー・感想・評価

3.4
・ジャンル
都市伝説ホラー/オカルト

・あらすじ
少女、ヨンチンの姿が1年間にも渡って見られず通報を受け彼女の母、メイホワの元へとやってきた家庭内暴力センターの職員、シューフェン
メイホワは娘は親戚の元へ行ったと語っていたが家の一室から全身に呪文の様な物が書かれたヨンチンの姿が…
その後、自身も子供の問題を抱える事になってしまうシューフェン
それは娘、ヤーティンの若すぎる妊娠だった
将来を思い堕胎を強引に進めようとするシューフェン
しかし間も無くヤーティンは失踪
シューフェンは娘の身籠る子供の父である恋人、ジュンカイの元へ
そして彼は失踪を招いたのは魔神仔という魔物ではないかと語る
ジュンカイは自らの体に宿す神、虎爺の力を使って彼女に協力する事に
2人を中心に進んでいくヤーティンの捜索
やがてそれは娘を監禁していたリンや長らく失踪していた女性、イージュンとの繋がりを見せ始め…

・感想
子供や猿の姿でやましい事のある者達の命を狙う魔物、魔神仔の脅威を実在の都市伝説を元に描いたシリーズの2作目で前作の後編にあたる作品

1作目で魔神仔について既に描かれている事もあって展開は早く、新たな情報の明かされ方やその構成なども大分改善されていた印象
魔神仔の標的となった人々の悲哀もしっかり描かれていてホラーには背景として悲哀が絶対に必要だと思っている人間としてはそこも悪くなかった

問題はストーリーと描写
今作で魔神仔との戦いの発端となったヤーティンの恋人が虎爺を宿すジュンカイというのはあまりにもご都合主義過ぎてホラーというより大衆向けエンタメ作品の様な安い感動も手伝ってチープに感じられた

またヤーティンが囚われた理由である妊娠に関しても、まるで堕胎が悪であるかの様に描かれていたのが時代錯誤でモヤモヤ
決めるのは本人、とシューフェンが自身の過去と重ねる様に改心するという展開はともかく魔神仔の大元が死んだ子供達であるという設定と繋げているせいでどうしてもそう受け取れるしどうなんだろう、と…

描写に関しても前作以上にダークファンタジー的で魔神仔のビジュアルや引き起こす出来事の恐ろしさが微妙
怪奇現象はありがちで直接対決の場面でも魔神仔として蘇生されてしまった長女の方のヨンチンを含めた群れの姿も大して怖くない
ジュンカイも最後まであくまで人の姿を保って欲しかったし…

ようは悲哀が悲哀のままで恐怖に繋がっていなかった、という事
虎爺やお札の呪文ではなく魔神仔と化していたヨンチンと憑依されたヤーティンが共に愛の力で救われる、というラストもあっさりし過ぎてて…
シリーズの他の2作にも言える事だけど実在の都市伝説を元にしているとはいえもっと恐怖描写と向き合って製作して欲しかったかな…

本シリーズを完走して思った事としては「呪詛」がファウンドフッテージ形式だったのは大正解だったんだなぁ、と
洋画ホラーにも言える事だけど音楽等の演出が大袈裟だと白けやすいんだよな…
妖怪を軸としている時点で心霊モノの様な怖さを産み出すのは難しい以上、そういう所は繊細に描写して欲しい
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