Hagieen

幸福な食卓のHagieenのレビュー・感想・評価

幸福な食卓(2006年製作の映画)
3.5
この作品の小松隆志監督はTVドラマ「結婚できない男」の演出を担当していたという事で、興味を持った次第。
主演はポスト長澤とも言われる北乃きい。共演は「亡国のイージス」の如月役の勝地涼。

どこにでもあるような風景、どこにでもあるような家庭、どこにでもあるような出来事、どこにでもあるような悩み・・・
観るものにある種の追体験をさせるような、日常の切り取り方の手腕は上手いと思った。
(この辺は「結婚できない男」でも遺憾なく発揮されている)

また出演陣も美男美女なので、まぁ、絵が爽やかだこと(笑)
まるであだち充の漫画のような、少しこっちが照れてしまうような爽やかさ。
ポスト長澤と北乃きいが言われるのも良くわかる(笑) 長澤まさみ以上に「南ちゃん」が似合いそうである。
(あ、でも長澤まさみの「タッチ」はまだ観ていないのでわからんが)

相手役の勝地涼は「亡国のイージス」とは全く違う顔を見せる。
爽やかなその笑顔は氷川きよしを思わせる(笑)
ただ、中学生役ってところに無理が・・・(頑張ってるけどね)

で、母親役に石田ゆり子・・・・・・もう、お母さん役なのね(泣)
このキャスティングはね、ファンタジーですよ、ファンタジー。
石田ゆり子の母親像にリアルはないもの。

おそらく、どこにでもあるような日常を切り取った映画ではあるけれど、リアルを目指したわけではないのだろう。
リアルを感じさせるようなキャスティングにした場合、この映画はかなり重いモノになってしまう。
人生の中で、老若男女誰もが困難にブチあたり思い悩む。
落ち込むことはあれど、後ろ向きにならず、それらを乗り越えて我々は生きていかなければいけない!
ミスチルの歌をバックに、延々と歩を進める北乃きいにそんな思いを感じた。
(ミスチルの歌は評価がわかれるだろうなぁ・・・・桜井氏の歌声はアクが強いので、私的にこの映画にはちょっとジャマに感じた)
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追記
予告編を観ていて思い出した。
この作品のテーマは「人は一人で生きている訳ではない」という事。人の幸せや不幸せというものは、周りの人間に影響を与え、また影響を受けているのだと。
自分ひとり不幸だと不幸の殻に閉じこもっていると、それは周囲の人間にも波及してしまうという事。
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