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5時から7時までのクレオの小のレビュー・感想・評価

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
3.8
シアター・イメージフォーラムの特集上映「ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語」にて鑑賞。 『シェルブールの雨傘』の ジャック・ドゥミ、その妻で女性映画監督のアニエス・ヴァルダ。ヌーヴェル・ヴァーグの2大作家とのことだけれど、どちらの作品も見たことないです。

ヌーヴェル・ヴァーグとか言われても良くわからないので、この特集はひたすら「幸せって、何?」に焦点をあてて見ようかと。

で、こちらはヴァルダの作品。イメージフォーラムのウェブによれば、<キュートで哲学的なガーリームービーの金字塔>とのことだけど、オジサン的見どころは<哲学的>の方。

「私、ガンかも」と思っている女性ポップ・シンガーのクレオが、午後5時から医者に診断の結果を聞く約束の7時までの間(正確には1時間30分)、パリの街を右往左往しながら、気持ちがめまぐるしく浮き沈みする様子をひたすら見る物語。

彼女は交友関係が広いのだけれど、皆、クレオが心配しすぎという感じで、まともに取り合ってくれない。自分のことをかけがいのない存在と思ってくているだろうはずの親しい知人、友人、そして恋人までからも感じる無関心。

孤独と不安を味わいつつも、クレオは自分と向き合い、“捨てる神あれば拾う神あり”みたいなこともあって、幸せを見出していく物語、なのかな。限りある時間を自覚し、その中で1人でも自分のことをかけがえのない存在と思ってくれる人がいると思い込めれば、それで幸せ。

●物語(50%×4.0):2.00
・他人は自分が思うほど自分のことを真剣には考えてくれないという真実。嫌いじゃない。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・演出が凝っているのだろうけれど、そこのところを良く味わえない自分が残念。

●映像、音、音楽(20%×3.5):0.70
・音楽が良い、らしかった。
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