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パッドマン 5億人の女性を救った男の小のレビュー・感想・評価

4.0
このところ、シネコンでかかるなど公開規模が比較的大き目なインド映画の主人公が闘っている敵って、どれも“固定観念”のような気がする。『バジュランギおじさんと、小さな迷子』は宗教の対立、『ダンガル きっと、つよくなる』と本作は女性差別というように。

愛する妻の健康を守るため、清潔で安価なナプキンを手作りすることを決してあきらめない本作の主人公ラクシュミは、「生理は汚らわしいもの」という固定観念と闘っている。自分の常識では正義であるハズの彼は、周囲から変態扱いされ、家族や妻も離れていく。

彼の敵を生み出すのは普通の人だけれど、それらが束となりタブーという強大な敵となって立ちはだかる。しかし、闘いをやめない彼に心を動かされた人が手助けしてくれたりして、ついにナプキンが完成すると固定観念に風穴が空き、解放された女性たちが彼の味方となって共闘する。

インド映画の魅力ってやっぱりエンターテイメント性だと思う。特集上映とかでは敢えてやや難しめの映画をラインナップしたりもするけれど、愛すべき荒唐無稽さを持つ、歌あり、踊りあり、そして観ていて安心、ハッピーエンドのマサラ映画がやっぱり好き。

ウイキペディアによればインドの識字率って75.6%で世界183カ国中137位。だからマサラ映画の影響力って、実は大きいのだろうと思う。普通のオジサンが妻への愛を原動力に信念を貫き、歌って踊りながら、固定観念という悪に立ち向かいヒーローとなる。

こういうインド映画の雰囲気が好きということはあるのだけれど、本作を観たインドの人で考えが変わった人がいるだろうなあと想像し、映画の力みたいなことを勝手に感じてしまうところも自分的にはイイです。

●物語:4.0
・パッドマン、尊敬しかない。

●他 :4.0
・ヒロインの1人がソーナム様だと観終わってしばらくしてから気づくという…。まだまだ修業が足りない。
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