コントラスト強めの映像が好み。高級リゾートで知られるサルディーニャ島の“裏”っぽい風景たちは、それだけでちょっとせつないような感じ。特に、女たちが埃っぽい道をずんずん歩くところの映し方が好きだった。手持ちのカメラもずんずん揺れて、画角がめちゃくちゃ狭くて、しかめた顔ぐらいしか映ってなかったりして、焦りや苛立ちが映像からシャワーのように降りかかってくる。
イタリア映画祭の作品紹介に「三角関係」と書かれていて、10歳の娘と育ての親と生みの親にその言葉はちょっと違和感あるなと思ったけど、観てみたら本当に三角関係の話だった。娘ちゃんが女ふたりを無自覚に振り回す振り回す。
まじめで心配性のお母さんがうとましくなって、トモダチ感覚で話せる奔放な大人がすてきに見える期間って誰にでもありそう。娘ちゃんはただ、頭悪そうな流行歌とか、キスのとき口は開けるのかどうかとか、そういうことが知りたかっただけなんじゃないかと思うけど、どっちの母親も娘ちゃん大好きすぎてちっとも冷静じゃないのが愚かしくもかわいい。アバズレのほうのお母さんが出してくれる朝ごはんが不味そうで、なんかキュンとした。