Same

劇場版総集編 前編 メイドインアビス 旅立ちの夜明けのSameのレビュー・感想・評価

3.8
久々にハマったテレビアニメの総集編です。
原作の漫画はネタバレしたくなくてまだ未読です。

今作は前編ということでアニメの第8話程度までのストーリーが一本にまとめられています。

アビスと呼ばれる底の見えない巨大な穴の周辺で遺物を掘り出す探掘見習いである少女リコが、10年アビスから戻らない伝説の探掘家である母ライザを探しに、未だ誰も到達したことがないと言われるアビスの底へ向かう物語。

父に憧れて空を目指したパズーと、空から降りてきたシータの物語『天空の城ラピュタ』の逆、『天空の城ラピュタ』の影響は強くあると想像しますが、母に憧れて奈落の底を目指す少女リコと、奈落の底から来たロボット少年レグの物語となる『メイド・イン・アビス』は冒険ものとしてとても良く出来ています。
キャラクターの絵柄で判断せず、ストーリーの良さで観てみてほしいアニメです。
アニメ化されている段階でも、後半とても辛い展開になることと、原作者のペドフィリア的な性癖がちょこちょこ顔を覗かせるのがかなり気色悪いのでこれ以上そのへんの性癖は抑えてほしいですけどね笑
まだ伏線としてちりばめられた謎が全く解明されてない段階なので、その期待値で面白いとも言えますけど。

総集編としてとてもうまくまとまってると思います。8話分を6話分の時間に落とし込んでるので、アニメシリーズを見た人には若干駆け足に思えるかもですが、シーカーキャンプでのオーゼンとのやりとりはじっくり描いてありますし、うまいまとめですね。
一本の映画としてみればやはり間延びはしてるとは思いますし、テレビ放映用の画面サイズで描かれているのでしょうがないんですけど、劇場で観るにはアップのシーンが多く、若干狭っ苦しく感じます。
スケールの大きな物語なので、劇場のスクリーンサイズを生かした引きのダイナミックな風景を何枚か描き足して絵作りして欲しかったかな。
ジブリを意識した世界観なんだけど、劇場作品としてはスケール感が今ひとつ。
テレビで見たときは劇場映画みたいだなと思ったんですけど。

個人的な好みで言えば、ケビン・ペンキンの劇中曲が壮大でとても良く、テレビシリーズの声優が歌う主題歌は世界観に合わないなと思っていたので、主題歌を使わなかったのは良い判断だったと思います。

とにかく、後編が楽しみですね。
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