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影踏みののんのレビュー・感想・評価

影踏み(2019年製作の映画)
3.7
鏡写しの心理ミステリー


ミュージシャン山崎まさよしの3度目の映画主演作は『月とキャベツ』でタッグを組んだ篠原哲雄と横山秀夫の連作短編の映画化。


元地方新聞記者の横山秀夫は、県警キャップの経歴を活かした作品を多数執筆しているが、『影踏み』は彼の警察小説のシリーズ群とは異なる異色の作品でもある。


謎解きそのものよりも登場人物の心の解放に重きが置かれていて、作品のテーマでもある「影踏み」すなわち表裏一体、合わせ鏡の存在をどう受け止めるかが描かれる。



山崎まさよしは演技がどうこうというよりその立ち振る舞いがカメラに入るとなぜか目を離せなくなる不思議な存在感があり、尾野真千子や滝藤賢一といった俳優と肩を並べても遜色がない。


膵臓を食べたい北村匠海やピーちゃんこと竹原ピストルなど、ミュージシャンも多数出演していて、豪華ない作品。味わい深く、劇伴の音楽も山崎が兼任している。
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