シズヲ

ソニック・ザ・ムービーのシズヲのレビュー・感想・評価

ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)
3.6
公開前に色々あった実写ソニック。本作のソニックは“お喋りで寂しがり屋なやんちゃ少年”みたいな雰囲気で、ゲームで見慣れたクールで颯爽としたキャラとは大分違う。ビジュアル的にもスタイリッシュ感よりも可愛らしさが強いので、クラシックソニックとモダンソニックの中間みたいな印象だ。吹替が金丸淳一じゃないことが巷で色々言われてたらしいけど、実際このソニックは金丸淳一っぽくないよなあ。アドベンチャー以降で定番になるハードロック調のサウンドも皆無なので、別物感はやはり強い。

とはいえ相棒ことドーナツ卿との掛け合いは見ていて楽しいし、軽口を叩きまくる陽気さやふとした拍子に見せる子供っぽさには愛嬌があって憎めない。ジム・キャリー演じるエッグマンは逆に原作以上にブチ切れていて、(“奇人キャラ”として些かあざとさはあるものの)とにかくエキセントリックで強烈なキャラクターになっている。別に世界征服も何も企んでいないが、あの挙動と言動だけで「こいつヤバい奴だ」と納得してしまう。

ストーリーも簡素で無難とはいえ、ソニックやエッグマンのキャラクターや派手な映像のおかげで大衆向け娯楽映画としては十分の完成度。お馴染みの超高速疾走に加え、最早X-MENのクイックシルバー並の異次元機動を見せるソニックのアクションは中々楽しい(マンガ読んでたのはフラッシュだったけど)。ラストを見る限り続編も余裕で作れそう……というか明らかにサプライズ的な“次回への布石”を仕込んでいる。本国での興行収入もかなり良かったらしいので、この愛嬌あるソニックは今後もスクリーンで活躍してくれるのかもしれない。
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