ーcoyolyー

バーニング 劇場版のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
3.6
空気、空間、行間、間合いを読む映画でして、私は村上春樹の文体が苦手なんですけどこの映画の文体には馴染めたのでそれなりに楽しめました。計算されたカメラワークよかったです。

村上春樹ほんっと苦手なんだけど映画化作品は別物なのだとしたら好きな映画監督トラン・アン・ユン+村上春樹という手を出しにくかった「ノルウェイの森」も行く勇気が出てきたかな。

国境の町の日常で北からの対南放送が流れてくるのとか、韓国でしか撮れないもの、ずるいわ。それで地図が出てきて高陽市の隣か!じゃあソウル郊外じゃん!ってそこから解像度が上がりました。高陽市行ったことあるんです。そしてソウルから板門店まで1時間ちょっとで行けるツアーがあって取材終わった後行きましょうよ!って誘ったけど誰ものってくれなくて大人しく日本に帰ってきた思い出もあるので、その瞬間に土地勘がいきなり立ち上ってきて、ああ、あそこか、わかる、こんな風景なのわかる、郊外のあそこか!ってなりました。

大まかな筋書きとしてはサイコスリラーなんですかね?でもそういう筋書きより空気感の作り方切り取り方見せ方が大切でちっともサイコスリラーの文法使ってないのでそう気づかない人も出るかもしれないですね。そう見せない狙いもあるんでしょうからそれでいいんだと思います。

あの年代の何者かになりたいけど何者にもなれなくて自分を持て余してる女の子ってとても危ういので、でも絶対いつかそんな自分を受け入れられる日が来るので生き延びて欲しいなと思った。生き延びられなくてフッと消えてしまうのもリアルで、リアルに知ってるからこそ、そう思った。そう伝えたいなと思った。あの子は私には謎ではなくてわかるところはあるしかつてああいうところを通ってきたとはやはり思うのでああいう姿を見るのは胸が痛い。ああいう子に私は手を差し伸べたいんだ。

主人公は大学で文芸創作ってことは確実に私の同級生にいたタイプなんだけど、何だこいつ全然わかんねえって最初思ってたんですよ。でもフォークナーとかギャツビーとかチラつかせるの見てうわあああ!って。クッソ面倒くせえから視界から消そう消そうって追いやったタイプの陰キャモブ文芸男子ですね…フォークナーとかギャツビー程度で浅いマウントかけてくるクッソキモい陰キャモブ文芸男子いたね…相手したくなくてしょうがない村上春樹かぶれのアイツらか…私が「村上春樹読んでろボケ」って虫ケラのように追いやった奴らの生態こんな感じなのか…やっぱり関わらなくていいやって思ったな。私陰キャのことつくづくわからないんだな、そら虐められるわな…でも極力関わりたくないなやっぱ。

あ、今回はハングルのシン(人にlにLの縦横比率逆にしたもの)とミ(口にl)も覚えた!何と一気に2文字!ハングル5文字読めるようになったよ!韓国映画見てハングルの読み方推測するの超楽しい!マイブーム!ひらがなのような法則性なく覚えるものよりこれ母音だなとか子音だなとかわかると組み合わせの法則性見えてくるから楽しい!多分今私、法則性の推測から自分の名前ハングルで3文字書ける、あと2文字ググらず頑張りたい
ーcoyolyー

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