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存在のない子供たちのTAMUのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.3
胸が締め付けられるー。
少年ゼインのはにかんだ笑顔を思い出すだけで、帰り道に泣きそうに。

ちょっと若き日の尾崎豊が稀に見せる笑顔が被った。古いかw
奴も社会に恨み持ってたからかなぁ。。

本作は国籍を持たない、社会的には存在のない子どもたちが主人公であり、彼らの自然な表情、表現力に息を飲む。
法廷から始まり、何故このような事件が起きたか、謎解きのようなストーリー展開も見事。説明的にはならず、むしろ奥行きまで理解しやすい構成。

そして、移民に寛容な国レバノンで、貧困を根源とし、弱者に溢れる社会問題の数々。
移民に不寛容な我が国。安全圏から高みの見物をしているようで、涙はあふれるものの胸が押しつぶされそうになる。。

ゼインの妹で10歳で結婚させられたサハル。ゼインを助けたエチオピア移民のラヒル。その息子のヨナス。皆、名前を忘れないように記憶しておきたくなる愛おしさ。

我が家のテレビでは隣国との痴話喧嘩とアメリカの話題しかやらないが、もう少し広い世界の大きな問題を伝えて頂きたいと願う次第。

レバノンのスラム街。数々のトタン屋根と屋根の上に置かれタイヤの空撮が印象的。

何でゼインの両親は息子の出生証明書を出さなかったのだろう。
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