たにたに

アメリカン・アニマルズのたにたにのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
3.9
実話に基づいたフィクションではなく、
これは実話であるそうだ。

実際に犯罪を犯した4人本人が劇中でインタビューに答えながらストーリーは進行して、その4人を演じる若手俳優陣の名演技と共にテンポよく進む内容がGOOD。


平凡な大学生4人の強盗劇。
狙いは図書館の名著。
どこか頼りないスペンサーは、長髪のワーレンと「自分はどうして自分として生まれてきたのか、他の誰かではなく」なんて二人で哲学のような会話して、人生のつまらなさに齷齪している。いない誰かと答えのない会話をしているような、どことなく、メメントのような雰囲気を漂わせる。

序盤でスペンサー本人も語っているが、たしかにスペンサーはワーレンとの出会いがなければ違う人生だった、かもしれない。
まぁこのように映画に出演して注目されているのだけれどもね。


さて、
彼らは犯罪とは無縁な真面目な学生で、素人集団。
行動力、計画力、知力、体力とそれぞれ4人の能力を生かした計画を練り、
お、こいつら結構やり手か?
どうやって完全犯罪を起こすのか?
とハラハラさせる。

ただ、007を見て妄想したり、ネットで銀行強盗のやり方を調べたり、急に不安になって顔が死んだり、吐き気がしたり、どことなく彼らの幼さが微笑ましく見えてくる。

これがまた良い意味で、これは絶対失敗するな、と、ある意味新しいコメディ劇に見えた。


個人的には、
チャス役を演じたブレイクジェナーの演技。あぁ、gleeのあの子か。。というか同い年!
名著を鑑定に出したあとの、車内での演技が素晴らしかった。
お前らどうしてくれるんだ!
俺の人生もう終わりだ!
そんな若さゆえの焦りが豊かな表情で演じきっていた。👏
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