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パニック・イン・スタジアムのbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
パニック。
アメフトの試合に、スナイパーが潜り込む。会場を一望できるスコアボード上に潜む奴の存在を知った警察は、パニックを防ぐため、秘密裏に、奴の排除の為行動するが……。

観衆の数組、犯人、警察の数名、幾人もの視点で話が進みます。
観衆側では、
①勝敗のいかんによっては命を落とす男と、隣に座った神父
②セールスマンと女の微妙な関係
③失業中の男とその家族
④スタジアムで隣に座った男女
という複数の登場人物が、それぞれが抱える事情や悲喜こもごもを少しずつ描きます。

警察側では、
①SWATチームのグラサンチーフ
②指揮官たち
③狙撃チーム
を中心に、謎のスナイパーが銃を撃つ前に引導を渡そうと奔走します。
スナイパーとの緊迫の攻防を描きますが、盛り上がり薄め。

テレビクルー側は、スポーツ映画のようなダイナミックさは無い、テレビの編集現場とモニター画面での怒声が主です。

さて、最も印象的な犯人側。
このスナイパーは、最初に滞在先のホテルの窓から、ランナーを銃撃しています。
ここで面白いのは、POVで展開していくことです。
1976年作ですが、現在のPOV同様の出来映えです。ドキュメンタリーテイストにしやすいPOVを用いて、観客に犯人視点で世界を見せるやり方は、とても面白かったです。

犯人の犯行動機やらは最後まで明かされず。
無差別銃撃と警官隊の捕り物シーンは迫力があります。
ラストの大パニックは必見です。将棋倒しで圧死するのって、あんな感じなんでしょうね。
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