いの

RBG 最強の85才のいののレビュー・感想・評価

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)
4.0
85歳にして、現役。アメリカの最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)。

映画を観て、思ったことのうちの3つを。



真に賢い女性というのは、こういう女性を言うのだなあと、しみじみ。親からの2つの教えを、多分 生涯にわたって守り続けてきた女性。ひとつは、自立せよ! もうひとつは、怒るな!だったか、激情に流されるな!だったか。怒って激しく口論になったとしても、相手は聞き入れてくれないだろう。彼女は、終始一貫して静かだ。控えめと言ってもいい。鋼鉄の意志は、静けさでコーティングされている。(でも、私は、激しく、いびつで、泥臭い、不格好な人を映画で観るのも好きだったりする。笑)



ルース・ベイダー・ギンズバーグさんは、重婚したのだと思った。

ひとりはマーティンさん。大学で出会い、生涯にわたって 愛し愛された人。最大の理解者。生真面目なRBGさんを、ユーモアで包んでくれた人。性差別撤廃はもとより、平等な社会の実現をめざして進む彼女の 背中を押すだけじゃなかった。時には けもの道を先に歩いて、そこに潜んでいるけもの退治をしてくれた人だと理解した。

そして、もうひとつは、憲法。RPGさんは、憲法とも結婚したのだと思った。憲法の、字面だけじゃなくて、憲法の水面下にある思想や、憲法が目指している理想を含めて、憲法を丸ごと深く愛している人。憲法とRBGさん。ラブラブ♡

マーティンさんとも憲法さんとも、どちらとも両想い。何十年にもわたって、純愛を続けていらっしゃる。ったく、羨ましすぎですぜっ♡ みんなが、彼女の虜になっちゃうのも、わかります!



お年を重ねるごとに、どんどん自由になっていらっしゃるように感じた。大好きなオペラに、ご自身も出演なさっているお姿は、徹子さんのよう♪ トランプ政権下において、リベラルな彼女が、求められている役割も果たすべき役割も、どんどん重くなっているのにもかかわらず。その、軽やかに活躍しつづけるRBGさんのお姿は、観ていてとても楽しいし、勇気づけられる。



---------------
過去レビューの再掲です。
ご冥福をお祈り申し上げます。
いの

いの