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スマホを落としただけなのにのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

OLのヒロインが付き合っている恋人に電話かけたところ、スマートフォンからは見知らぬ男性の声が。どうやら恋人はスマホをタクシーに置き忘れていて、それを拾った男性が通話に出たようだった。スマホはその男性が指定した喫茶店に預けられ、ヒロインがスマホを無事回収して事なきを得たように思われた。しかし、その日を境に恋人のクレジットカード無断使用やスマホの強制ロックなどの不審な出来事が続き、やがてヒロイン自身のSNSも第三者に乗っ取られてしまう。ヒロインはSNSで友達申請を受けたセキュリティ会社勤務の知人に相談するのだが…という話。原作小説は未読。監督は「リング」などで知られる中田秀夫。

構成にかなり難のある作品。
原作のあらすじを読んだ限りでは、話の筋や人物設定などはあまり変わっていないのに、映画用に改変した部分がことごとく全て裏目に出て、面白さを阻害していた。
彼氏のスマホ乗っ取りエピソードと、若い女性の連続殺人事件、そしてヒロインの隠された秘密という三つの軸を絡めて進行するところも原作どおりなのだが、ただでさえ盛り沢山なストーリーに更に余計な1エピソードを入れてしまったがために駄作になってしまった印象。具体的には千葉雄大演じる刑事の設定がモヤモヤ感の原因となってしまっていた。ヒロインのスマホに恋人が仕込んだ追跡アプリを、犯人が恋人を誘い出すため敢えて放置したと言っているが、恋人が1人で来るとも限らないし警察に通報されたら犯人大ピンチになるのでは?と思った。ヒロインの秘密に関する伏線の出し方も不自然だし、秘密が判明するエピソードも唐突な上に長い。
脚本家の問題かもしれないが、やはり「Monsterz」「劇場霊」以降の中田秀夫監督作には演出上の問題がかなり多いように感じた。
ヒロインの境遇などの設定的には僕好みの作品であるし、序盤のスマホを落とした場合のシミレーションとしては中々興味深かっただけに、もう少し丁寧に描いて欲しかった。

冒頭、タクシー内で恋人がヒロインに向けて打ってるLINEに、他作品の小ネタが仕込まれていたことに気づいたが、それもかなり微妙なチョイスだった…
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