おさるのじょじへい

ビューティフル・ボーイのおさるのじょじへいのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
4.2
2回目の鑑賞にて印象が変わり、☆もアップしたので、追記をば。
ニックがドラッグに溺れていた最中でも、”everything”のハグを父に求める姿を見て、彼にとって父の存在がどれだけ大きかったのか…ということを改めて感じ、涙がこらえきれませんでした。
時間軸をバラバラしたことで、父と息子の想いが立体のように浮き立ってくるのだと、2回目の鑑賞にて感じることができました。

以下、試写会での感想。
_________________________________________________
時系列通りの進行ではないため、凡人のわたしの頭の中は大混乱。
しかしもしやこれは、ニックの感覚を疑似体験させるための手段なのでは?とも思いました。
だからこそ、気付いたら涙がこぼれていました。”THEお涙ちょうだい”という演出では決してなく、デヴィッドやニックに自然と感情移入していたように感じます。混沌としているようで、実は巧妙な筋立てだったのでしょうね。
劇場公開したらもう一度観るので、また違った思いが芽生えるかもしれません。

周囲にドラッグ経験者はいないので、2人に本当の共感はできないだろうし、吸収しきれていない点も多いと思います。
それでもこの作品に教わったことは、
人を救おうとしてはいけないということ。
困っている人がいると放っておけず、つい「救わなきゃ!」と思ってしまう自分。だけど”救う”だなんて、おごりだったと気付かされました。
手を差し伸べることは出来ても、救われたかどうかはあくまで相手が感じること。
人は救えない。冷たいように聞こえるけど、それが真理な気がします。
肝に銘じました。
そんなわたしは、たくさんの映画に救われていますが(苦笑)

Filmarksさま。試写会をありがとうございました。