面白れえ！ って言葉しか出てこないぐらい面白かった。
人間を改造する謎の組織が存在する世界で、そこから逃げ出してきた少女を組織の人間が追ってくる。
というSFというよりは、むしろ日本の特撮ドラマのような話なんだけど、その見せ方と話の運び方がとても上手い。
穏やかで愛に満ちた家族の日常が静かに描かれるなか、オーディション番組に参加するというコミカルな展開が突然入ってくる。
一方で、ジャユンを狙う組織の話も少しずつ挟み込まれ、彼女の身に危険が迫ってくることも伝わってくる。
来るぞ、来るぞ、と思わせておいてからの、敵の襲撃。
ここで見せるジャユンの覚醒シーンが鳥肌が立つほどに格好いい。
それまで普通の女子高生だっただけに、その変貌ぶりにはゾクゾクとさせられる。
と同時に、変わったジュヤンに思わず怯えてしまうミョンヒをちゃんと描くなど、細かいところまで気を配られているのがまたたまらない。
その後のアクションシーンは、かなりぶっ飛んでいるのだが、これも観ていてとても気持ちいい。
変なとこをいちいちツッコむのは野暮でしかない。これは全身で楽しむのが正解なんだと思う。
あと、この映画の何よりのポイントは、キム・ダミ演じるジュヤンのえげつなく変わる表情だろう。
ふと見せる不安な様子、父母に甘えるリラックスした顔、むくれっ面、ミョンヒをからかう笑顔、そして変貌した後のあの瞳。
もう本当に、最高としか言いようがなかった。
