Same

ハロウィンのSameのレビュー・感想・評価

ハロウィン(2018年製作の映画)
3.4
嶄然たる孤高の殺人鬼にして、純然たる悪。

日本では死んだ者の怨みが思念となってこの世に残ることで悪となり、西洋圏ではキリスト教的な悪魔が悪となります。キリスト教的な悪魔も純粋な悪ではあるのですが、これは神に対してカウンターとしての存在であり、国家が敵国を想定して国内の安寧を図るのと同じようなもの。
マイケルマイヤーズは一言も発することなく、血族を執拗に狙いつつ、ついでにそこらへんの人を黙々と血祭りに上げていきます。いじめられた怨みから殺人鬼になったジェイソン・ボーヒーズや逆恨みから殺人鬼として復活を遂げたフレディ・クルーガーとは一線を画します。
そこがマイケルくんのカッコいいとこですよね。ダサい臭そうなマスクを被って、襟を立てたつなぎ姿もカッコいい。

今作は一作目の直接の続編ということで、『悪魔のいけにえ』でもこの手法で続編作ってますよね。
人気作の続編って低予算化して変な方向にいくもんなんですけど笑、それはそれで愛すべき作品なので、最近のこの手法でズバッと無かったことにするのは寂しいよなあ。
今作では一作目と同じ、ジェイミー・リー・カーティスがローリーを演じています。ローリーはこの40年マイケルマイヤーズに怯えて、戦うために対策を練り続けて、いつのまにか銃器の扱いに長け、家は要塞のようになっており、いつのまにか偏屈ババアとして娘にも疎まれる存在に笑
早い話が、サラコナー化したんですな。

ずっと収容されていた精神病棟から40年ぶりに刑務所に移送されることになったマイケルさん。その日は奇しくもハロウィンの日!笑
何にもないわけないっすよねー
40年を経て強い女系家系になったローリーとその娘カレン、さらに孫娘アリソンがマイケルと対決します。

しっとり堅実な作りで良い映画だったんだけど、もう少し弾けても良かったかなあ。なんか全部展開を見たことあるんだよな。あんな薄鈍のでかいおっさんが狭い家の中で音もなく隠れて、被害者はどこだどこだと見つけられず、ぬっと現れて後ろからやられるとか、もはや2018年にやる演出じゃない気がするし、強い女性が無双する展開も最近見飽きてきました。

というわけで同窓会的にオリジナルキャストが出演していて、重厚な手堅い作りで、ファンは納得の一本なのかもですが、このシリーズに思い入れがないのでなんか惜しいなあという感想
ですかね。

すこーしだけネタバレ








ラストあたりのカレンの「Gotcha」からの射撃と、ローリーの「Happy Halloween Michael!」は最高でした!あれでかなり評価上げます。

ラストの息遣い、続編やりますかね
Same

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