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どうしようもない恋の唄のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

どうしようもない恋の唄(2018年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

事業に失敗し金融機関からの借金取り立てから逃げていた主人公は自殺を決意する。しかし、死ぬ前にとふらりと立ち寄ったソープランドで風俗嬢のヒロインと出会い、彼女のアパートに居候することになる。ヒロインとの暮らしの中で生きる希望を見出した主人公は再び事業を始めようとするのだが…という話。

予告編を観て、感動ものかと思っていたのだが、実際はダメ人間のダメさや醜悪さを徹底的に描いた映画。
美談な話だと主人公は愛する彼女のために地道な職について更生する流れになると思うのだが、主人公が取りかかった事業は水商売の女性相手の怪しげな訪問販売なのだから観ている側も共感はできない。まあ、作り手側もそういう要素は最初から排除していそうだけれど。そしてその事業のやり方も穴が多くて呆れてしまう。裏社会の描き方もかなり雑。「新宿スワン」などのリアルさを見習ってほしい。
ピュアな存在として描かれているヒロインも、男に依存してあまり物事を深く考えていないように見えてしまった。主人公たちを追い詰めるヤクザが空虚さの象徴のような立ち位置だったのは興味深かったが、描き切れていないのが残念。また、終盤のキーワードとして飲み屋のオバさんが発した「私は忙しいんだ」という言葉が出てくるのだが、効果的に見せたいならもっと序盤から小出しにするべきだったかも。隣家に済むカップルの女性が六本木高級キャバクラのNo.1という設定なのにあんな寂れたアパートにヒモの男と住んでいるのは不思議。ものすごい借金があるのだろうか。
TSUTAYAでは18禁レンタルコーナーに置いてあったけど、この内容なら一般作を扱いで良い気もする。エロくないし。
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