Taka

ドクター・スリープのTakaのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
4.1
‪キューブリックの強烈なビジュアルとキングの強烈なイマジン、2つのシャイニングが爆発しなければ出来得なかった「シャイニング」の続編に対する究極のアンサー。今年一ぶっ飛ぶ作品です。
キューブリック版を作者のキングが嫌ったのはあのスピルバーグの娯楽大作「レディ・プレイヤー1」でも語られた有名な話。そんな状況下で本作はキューブリックとキング、2つのシャイニングを混ぜてこれぞ「シャイニング」の続編ということをした時点で偉業なわけだが、そんな物語は決してあのビジュアルの強すぎるキューブリック版「シャイニング」を盛り盛りにした作品というわけでもなく、‪冒頭からシャイニングの気力を吸い食いして生きている軍団・"真の絆"、強いシャイニングを持つ子供・アブラ、そして、40年前の惨劇を生き延びたダニー(ダン)の3つの軸で物語は進行していく。それらをじっくり温めながら‬交錯していき、‪真の絆vsアブラ、ダニー‬による超能力大決戦が繰り広げられ、その最終決戦の地に選ばれたのがダニー自らのトラウマであるあのオーバールックホテルとなるわけである。‪あの音楽が掛かった瞬間、興奮しかなかった。‬
そして、そんなキューブリック版の印象的なイメージの数々をしっかりと掻い摘んだことにより、最後まで飽きさせない作りにはなっている。
ただ、一つの作品として考えたとき、152分もの作品の中でキューブリック版ありきな面があり(安易なファンサービス描写があったのは否めない)、もう少し盛り上げて欲しかった感じはあったかな…まあ、それは宣伝で見せすぎ・過剰にアピールしすぎてサプライズ感が薄まったからってのはあるけど。
‪最後に。観る前に「シャイニング」を予習してから観たけど、それは正解だった。絶対観てから本作を観るべき。興奮度・話の入り込み度が格段に違ってきます。‬
‪開いてしまった扉は閉めないといけない。40年の時を経て作り出された「シャイニング」の扉が閉まる瞬間を観るべし。
Taka

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