Taka

mid90s ミッドナインティーズのTakaのレビュー・感想・評価

4.3
自分は90年代を生きたわけではない。でも、90年代に強い憧れがある。あの社会の空気と文化を味わいたいと思ったことは幾何かある。本作はそんな90年代半ばのアメリカ・ロサンゼルスを舞台にした青春の刹那だ。

この映画に出てくる主人公たちに憧れを抱いた。スケボー滑らせ、大人になりたく少し背伸びする。不良ではあるが、誰もがそのワルさに憧れを抱くのではなかろうか。ああいう道を歩んでもみたかったと。でも、自分はスティーヴィーではなく、兄のイアンみたいになっちまった。あの叫びは自分に響いた。あっ、自分だと。

そして、物語は青春の美しき刹那を捉える。素晴らしい90年代ノスタルジーであり、普遍的なドラマでもある。90年代から地続きを感じさせるあのラストも良かった。ジョナ・ヒル監督の初監督とは思えない力量にも拍手を。
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