140字プロレス鶴見辰吾ジラ

記憶にございません!の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

記憶にございません!(2019年製作の映画)
3.5
【逃げ切り型政治コメディ】

支持率2%級の嫌われ暴言総理が国民の投石で記憶喪失に!?

いささか設定や細部は崩壊してるがエンタメとしては成功している。三谷幸喜の映画作品としてはトップクラス。徹底的にデフォルメ化したキャラクターと政治という舞台上でのコメディ。繰り出されるギャグに客入り+笑い声が見事にミックスされ楽しい体験として思い出に残る。繰り返し言うがエンタメとしては成功している三谷幸喜流の優しい世界モノ。

実は危ういネタもぶっ込んでいる気もするが、連発されるギャグで茶化して重要な場面は徹底して逃げの姿勢で煙に巻く。

記憶喪失という空白の仕掛けは割かし機能していて、もっとハードコンタクトできる題材だけに、アダム・マッケイの「バイス」の破壊力を改めて実感する。「ワイルドスピード」好きな人向けの政治コメディとして仕上げたのは賞賛できる反面、笑いという“強行採決“で決着がつくと考えている打算性とそれで満足してしまう大半までがパッケージングされて「記憶にございません」は成立しているのだ。


小池栄子が小池栄子史上最高の小池栄子であることは全会一致で閣議決定であります!