bluemomday0105

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のbluemomday0105のレビュー・感想・評価

3.8
レディ・バードのコンビ=グレタ・ガーウィグとシアーシャ・ローナンで若草物語のリメイク。この時点で優勝案件だし実際絶賛やまずなんですが、個人的には身につまされすぎてしょんもりしてしまった…。
アラサーくらいまでの女性なら十分響くストーリーだと思うのですが、登場人物たちが夢見る未来を何一つ得られなかった身には結構残酷でもあったりで…。この物語に素直に感動するにはもう圏外なんだなと思い知らされた。人生のステップクリアできずずっととどまってるのゾンビじゃん。辛い…早く解脱したい。

ソフィアコッポラの映画みたく「何が言いたいの?」って思っちゃうこともないし、ジョーの「結婚や家庭よりも夢や生きがいを大切にしたい」という姿勢に共感する女性は多いだろうし自分もそのスタンスで生きてきた(相手がいないのを置いといて)けれど、夢や生きがいを見失ったり裏切られたり、はたまた追いつけなくなって手放すことは出てくるんですよ…。そうなったとき、何もなしで生きていかなければならない。その孤独を抱えたまま人生を送るのは長すぎるし空虚すぎる。
もちろん普通の女性は「恋も仕事も手に入れ」られるんでしょうけども…。

天職だと思っていたのに挫折を経験する辺りに「半分、青い。」、ジョーとローリーとエイミーの関係に東京タラレバ娘の回転寿司のエピソード(後で取ろうとしても同じ皿は二度と回ってこない)を連想した。そしてジョーがローリーとフレデリックからの好意を固辞するのって蛙化現象なのかな…って思ったり。サバサバ生きてるように見えても、美しい姉と比較されることばかり言われたら人格形成に影響を及ぼすよな。

こういう作品だと自立心強いキャラクターに対しての引き立て役になりそうなメグだけど、ちゃんと人格描いてるのはよかったです。美人で女優としての才能があったメグが夢よりも好きな人(決して裕福ではない)との人生を選ぶの「それもまた良し」だよねーって目線で描いてる(そして葛藤も描いてる)の信頼出来る。

飄々としつつも傷つき生きてるシアーシャ・ローナンのジョーは勿論よかったしティモシー・シャラメは一番の王子様だった。ティモシー映るたびに花が咲いたような華やかさ。
お母さんのローラ・ダーンはマリッジストーリーなんてなかったような素敵なお母さんだった。フローレンス・ピューの存在感強いし物理的にも強そう…ブラックウィドウ楽しみだな。
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