140字プロレス鶴見辰吾ジラ

映画 賭ケグルイの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

映画 賭ケグルイ(2019年製作の映画)
3.8
【女子プロレス】

「賭ケグルイ」はアニメ視聴をしていたが、どうにも実写版に懐疑的な私。しかしながら本作のごった煮イズムによる実写化と劇場版スケールの騒動な心地良い。ギャンブルドラマはプロレスの如く勝利と敗戦にロジックがつきものになるわけだが、その中で一進一退、逆境からのひっくり返しのロジックがきっちり果たされていて、その中に浜辺美波のアイドル的でありながら大仰的な可愛さ、森川葵と矢本悠馬の第4の壁へと目配せ、池田エライザの佇まいとキャラクターとして盛り上げる手法、そして第3勢力として搔き回すヴィレッジの面々が舞台劇的なストンピングと掛け声で見せるエモーションの追い風。演技面で大味ながらもトータルパッケージで劇場版としてのエピソードの楽しませ方が提供できている。福原遥の序盤の声質で声優業界に片足突っ込んだ勢力が狂気演技でメタ的にも足を引っ張り炎上していく姿に、浜辺美波からの「大根役者め」が加わり、これもまたプロレス的なカーテンの裏側を垣間見せる面白さあり。アニメやドラマから足し算と引き算の採算合わせからの今回劇場版用のビッグアイテムと心意気ある使用法含め、他人のギャンブルを見て一喜一憂する非日常的な娯楽として今年のグッドシネマ枠に加えたい小粋な1作。