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METライブビューイング2018-19 プーランク「カルメル会修道女の対話」

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METライブビューイング2018-19 プーランク「カルメル会修道女の対話」の作品紹介

METライブビューイング2018-19 プーランク「カルメル会修道女の対話」のあらすじ

8世紀末、フランス革命の激動に揺れるパリ。ド・ラ・フォルス侯爵家の娘ブランシュは、極端に神経質なため俗世間では生きていけないと、コンピエーニュにあるカルメル会の修道院に入る。だが革命政府は修道院の解散と建物の売却を決め、司祭も追放された。修道女たちは殉教を決意するが、怯えたブランシュは修道院から逃げ出す。潜伏してひそかに信仰を守っていた修道女たちは捕らえられ、死刑の宣告を受けた。ひとりひとり断頭台に上る修道女たち。その時、群衆のなかからブランシュが現れる。

原題
Poulenc - Dialogues des Carmélites
製作年
2019年
製作国
アメリカ
上映時間
195分

『METライブビューイング2018-19 プーランク「カルメル会修道女の対話」』に投稿された感想・評価

3.4
修道女の集団殉教の宗教オペラとみえて、実は作者は集団殉教に批判的ではと思えた。

スペクタクル要素ゼロの宗教オペラ。前半はまじめーな信仰のお話で、関心ない人には退屈だろう。

後半は一転してドラマチックでスピード感ある展開になる。そして衝撃的幕切れに突入。キリスト教を知らない人でも心を揺さぶられるはずだ。

革命の混乱期の実話に基づく、殉教の物語なのだ。でも、本来修道女は集団的殉教とはほど遠い。個人の救いを求め神と向かい合って瞑想する女性たちだから。

彼女たちが殉教への参加を誓う場面では、異様な雰囲気に皆が引きずられていく様が描かれている。作者は修道女たちが二つの狂信(暴走する革命の狂信と、抵抗の中で信仰がもう一つの狂信へと変質した)の犠牲者だったことを示したとわたしには思えた。

殉教の物語を批判的に照らし出すのは主人公個人のストーリーなはずなのだが、ミスキャストが効果を減じている。

主人公は多感で情緒不安定な乙女なのだから、意志強固な烈女風の配役は不適切だ。そのため神とだけ向かい合いたい彼女と集団殉教の対比が見えてこない。

1957年初演というのに調性のある古めかしい作風だ。それでも俗っぽい音が全く聞こえない。フランスの伝統かもしれない。
カルメル会修道女16人が革命の大義によってギロチンにかけられたという史実をオペラ化。予見なく見たので、これがオペラか!と衝撃を受けました。対話を重ねることでそれぞれが殉教に至る。修道女たちがギロチンにかけられる度に響く衝撃音が心に突き刺さる。死を恐れることで修道院に入ったヒロインは貴族階級。当時、こんな逃避手段があったことを初めて知りました。それぞれ、身分も、神との向き合い方、距離感も違うのを見せ、プーランクは単なる受難劇にしていません。紛れもなくフランスオペラのマイルストーンです。メトの演出や歌手たちの演技も素晴らしく、見ごたえがありました。
4.5
プーランクのオペラは初めて聴く。たまたま『怖い絵』の作者 中野京子氏のレクチャー付きの回。このレクチャーが聴けてよかった。
フランス革命に揺れ続ける時代 1794年にコンピエーニュという町の修道院・修道女が全員 革命裁判で有罪判決を受け処刑される事件があった。
この事件の生き残りが書いたメモが残っており、それをもとにドイツの作家ル・フォールが書いた 1931年出版の小説がベースになっている。

なぜ修道女が処刑されたか? 当時の社会動乱の中で発明された悪名高きギロチンの犠牲者は 2万とも4万とも言われていて定かではないのだが 聖職者は貴族よりも高い率で処刑台に送られたそうである。
つまりは特権階級。
聖職者は貴族がなるものであり 修道女も金持ちの特権階級の子女が世俗の危険を逃れるために修道院に入る、そういうものだったらしい。
もっとも”殺した”為政者は かの独裁者ロベスピエール。
ル・フォールが小説に書いたのも プーランクがオペラに仕上げたのも ナツィの独裁の影を 過去の悲劇に投影したのだろう というのが中野氏のお話。
ちなみに 主人公のブランシュは 架空の人物、作家による創作だそうだ。

その解説を念頭に作品を観ると 歌詞がかなり深い含みを持って書かれていると強く感じた。
"神に仕え" "ただ祈ることで暮らす" なんて表面的な体裁でしかないのよね。。。でも 困ったことに 当の本人も思い込んでいる。厄介。
神 宗教 革命 --- 命をささげるにふさわしいかのような概念と 個人の内面とには 大きなギャップがある。 主人公のブランシュはそのギャップを体現している。

1幕では ブランシュが修道会に受け入れられ 彼女を受け入れた院長が病で悶え苦しみながら他界する。
院長役の  Karita Mattila が圧巻! 彼女が主役?と思うほど歌の分量も多い。ブランシュの入会問答のときには 厳格さを前面に出しているが、死の床で苦しみに耐えられなくなってくるあたりは 悲しみとプライドと錯乱がミックスした なんともいいようのない歌唱。
神に仕えても 死の恐怖から自由になることなどできないという 強い印象が残る。

2幕では修道院を取り巻く社会がすっかり変容している。
ブランシュの兄は逃亡し 父は捉えられて処刑される。
修道女たちも身の処し方を考えざるをえなくなる。

この幕では 若い修道女のふたり ブランシュと コンスタンスの心の動きと対比が前面に出てくる。
新院長や まとめ役の修道女もたくさん歌う。
コンスタンスは 明るい声のソプラノ Erin Morley
主役の Y・ Lenard とは音大同期とインタビューで。
歌も素晴らしいが、どちらかというとオーケトラに耳を奪われる。
効果的なオーケストレーション ぎょっとさせる全休符 最後の音は あれは効果音を使ったのか? 
修道女たちの対話 という 地味な歌が 決して単調にならないのはオケの貢献がとても大きかった。

それにしても 本当にどんよりする........
日本の廃仏毀釈なんて 可愛いものに思える 人間の傲慢と残忍さよ。

これが 今年の METライブビューイングの最終演目だったが、シーズンの締めの演目でもあったらしい。 
女声がほとんどの特異な演目。人気演目ではない。けれども秀逸な作品である。忘れた頃にローテ入りするそうだ。
思えば アイーダにはじまり デライラ ワルキューレ ............ 今期の Live配信は 女性中心の演目ばかり。
レヴァインのあとを ネゼ=セガンに任せたことと合わせ、 METOpera が決して マッチョな場ではありません と アピールしたのだろう。
そう考えると、最後を飾るにふさわしいチョイスでもありました。

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