塀の中のジュリアス・シーザーの作品情報・感想・評価

「塀の中のジュリアス・シーザー」に投稿された感想・評価

qwerty6

qwerty6の感想・評価

4.0
referring to a play by
Shakespeare(1564-1616)
(1599)

このレビューはネタバレを含みます

再現ドラマ?
ドキュメンタリー?
本当の囚人たち?
混乱の連続。

ひとつは囚人が自ら本名、出身地、家族の名前を口した事。
そこにプライバシーは存在しない。

二つめはカメラワーク。
刑務所内でここまで撮れるものだろうか。
忠実に再現したセットだと思った独房のシーン(画の引き按排で)

3つめ。
これがポイント。
囚人たちの演技の迫真さ。
とても素人とは思えなかった。
練習を重ねる内に、役に入り込んでいく彼等。
劇の内容と、自分自身の罪を重ねる部分もあるのだと思う。
観ているこちら同様、彼等も混乱していたのではないですか。

本番を終えた彼等は一様にトランスから抜け出した様な表情だった。
憑き物が落ちたとでも云えばいいのだろうか。
純粋に美しかった。

本物の刑務所で、本物の受刑者を使っての撮影。
ちょっとビックリな作品。
犬

犬の感想・評価

3.5


ローマ郊外にあるレビッビア刑務所では、囚人たちによる演劇実習が定期的に行われており、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」が演目に選ばれる
オーディションで配役が次々と決まっていき、本番に向けて刑務所の至るところで稽古が行われる
すると囚人たちは次第に役と同化し、刑務所はローマ帝国の様相を呈していく……

実際の刑務所を舞台に、本物の服役囚たちを起用してシェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」を演じることで起こる囚人たちの変化を描き出していく異色のドラマ

元老院

劇場のように
舞台感が良かったです

設定が斬新
囚人たちの紹介もあり

演技指導

仲間たち
それぞれのドラマ

変化が見どころ

映像も変わってる
雰囲気ありました
いち麦

いち麦の感想・評価

2.0
舞台本番に限らず刑務所内での練習シーンも繋げて芝居を見せる構成が面白い。映画中劇の比重がここまで高い作品とは予想してなかった。だが虚構が囚人達の現実を圧倒し尽くしている様子が伝わってきて胸に迫った。
R

Rの感想・評価

1.8
タヴィアーニ兄弟が監督した作品ということで期待し過ぎたこともあるかもしれない……。

冒頭、囚人によるシェークスピアの『ジュリアス・シーザー』が演じられて始まるが、すぐに「6年前」というテロップが出て、過去の映像になってからは、この映画の大半がモノクロ映像。そのモノクロ映像で描かれているのは、演劇を演ずる囚人たちのオーディション場面、そして延々と続く刑務所内での演劇練習風景。勘弁してくれ、という時間だった。

そして、舞台で演じた後で、ある囚人が独房にまた監禁に戻されて、「芸術を知った時から、この監獄は牢獄になった」というセリフは印象的だった。
よ

よの感想・評価

3.8
ものすごい構成でぐいぐい引き込まれた。映画としての表現も、物語が進むにつれてどんどん洗練されていったように感じたのは気のせいだろうか。刑務所内の様々な場所で劇『ジュリアス・シーザー』の「稽古」を行なうという体なのだが、劇と現実が交錯して混じり合い、いつの間にかそこはローマ帝国に変貌している、という幻想的な趣もある作品。 

芸術の力がいかに強く、時に残酷であるか(「芸術を知ったら、監獄は牢獄になった」)。芸術の力と所在について考えざるを得ない。タヴィアーニ兄弟監督が、本作をドキュメンタリー映画ではなく、あくまでもメタ構造の劇映画として撮ったのも(ドキュメンタリーが芸術的でないとは言わないが)芸術に対する強い想いからなのかもしれない。
Yuriko

Yurikoの感想・評価

3.9
過去鑑賞記録。
これもっと評価されて良い映画だと思うんだけどな。でも海外の囚人だからってのと、どんな犯罪を犯したのか詳細に知らないから観れるところもある。
これご遺族の立場からしたら観れないだろうしな…複雑だけど。こんな犯罪犯す前に、こうして芸術に触れ合ってほしかったよ。と強く想う。
今日も二本目の巣ごもり鑑賞。
本当の囚人の皆さんとは思えない演技力に感動したものの、もう少し演劇を通した個人の深掘りが欲しかった。
けれど素人とは思えない。
唯

唯の感想・評価

2.9
役を見つめる作業とは、自己省察・内省のプロセスである。
役に自己を重ね、時に投影し、役者と役柄を共に生かすことが出来れば、その舞台は成功と言えるかもしれない。
囚人演劇の試みとその効果を提示するドキュメンタリーであるが、あくまで虚構として、フィクション性を持って自意識的に仕上げている。
彼らは、囚人という役を背負った俳優の様に映るのだ。
夢中になる・真剣になる・真剣に打ち込むことは、誰にとってもポジティブに働くと信じたい。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

2.5
ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作は、完全にタイトル通り全員本当の囚人を役者として起用し刑務所内で演じられる「ジュリアス・シーザー」。しかも刑務所内のシアターで演じるといった作り物的な方向性でもなく、牢屋の中での練習なども含めて物語が囚人たちの生活と歩を合わせるように紡がれていくという、芝居とリアルの境界線を見失わせるようなかなり斬新な形式。まあ、それ以上でも以下でもないので内容は朗読劇であり正直面白みはそれほどでもないのだが... むしろ、演劇に身を預けてつかの間の自由を得たかのような囚人たちと、その結果として発された最後の一言が非常に印象に残った。
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