【未来をHUGくむ】
「クワイエットプレイス」の真逆を行く喧騒絶えぬ疑似家族コメディ。里親問題をギャグテイストで浸透させつつ確実に単なる偽善で家族になると地獄を見ると警告を成らす構図も感動による下品さがなくて良い。分かったかね、サンドラ・ブロック!ラジー賞は間違いじゃない。
期待を膨らませ里親に成ることを決意しセミナーに参加するステップの細かさと、里子を迎え入れてあるタイミングで起こる時刻絵図。クリスマスのクラッシュと反抗する子ども=悪魔に取り憑かれたと「エクソシスト」的な演出を持ってくるシーンが最高。紆余曲折と笑顔のモンタージュ、ストレスをぶちまけるハンマーでの破壊シーン、そしてハイスクールに乗り込んでキンタマを踏み砕かんとする「ドライブ」的な暴力ギャグ。
コメディである理由が里親会合に帰着し、最後は過剰すぎる大団円で琴線に触れないわけない。イザベラ・モナーの過剰な美貌が目の保養として適切だが、映画自体の偽善に感じてしまう(エンドロールとか)が、クライマックスの畳み掛けるエモさに忘れないコメディテイストは賞賛。