タケオ

ヲタクに恋は難しいのタケオのレビュー・感想・評価

ヲタクに恋は難しい(2020年製作の映画)
1.1
ヲタク、ミュージカル、果ては映画に対する'愛'すら微塵も感じることができない。監督への怒りが限界を遥かに上回った結果、最終的に(友人の付き合いだったとはいえ)本作を鑑賞した自分自身を呪うという全く新しい映画体験を提供してくれた、ある意味凄い作品である。そもそも不器用なヲタクたちの日常を描いた原作に対し、何故'ミュージカル'というアプローチをとることにしたのかがサッパリ分からない。監督いわく「アニソンというくらいだから、アニメと歌って強いつながりがあるし相性がいい」とのことだが、だったら本作で『オペラ座の怪人』(25年)や『ラ•ラ•ランド』(16年)のパロディを行うのはお門違いだし、これらの作品にあった'夢と愛の両立'や'美醜と才能'といった深淵なテーマからは目を背け「見て見て、それっぽいでしょ〜」ぐらいにしか扱わないという不誠実さにも驚かされる。そもそも歌唱シーンに魅力がなく物語が停滞する時点でミュージカル映画としては論外なのだが、監督自身は「『ラ・ラ・ランド』のパクリみたいな場面がいっぱい出てくるけど、おれは『ラ・ラ・ランド』より先にミュージカル映画をやりたいと言っていた。」だってさ。へー、すごいね〜。ヲタクをバカにしたギャグで笑いを誘ってるクセに、何が「ヲタクな人にもヲタクじゃない人にも観てもらえる映画にしなきゃなと思った」だこの野郎、ぶん殴るぞ。真剣さを一切感じさせないやる気のなさ、拷問かと思うほどのギャグのつまらなさ、鑑賞者を完全に舐めきった態度、これぞ福田雄一クオリティ‼︎死ななくてもいいから、どうか不幸になって映画が撮れなくなってください。
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