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悪魔はいつもそこにのYYamadaのレビュー・感想・評価

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)
3.5
【スリラー映画のススメ】
◆作品名:
悪魔はいつもそこに (2020)
◆映倫区分 / 米国 : R
◆スリラーの要素
 暴力の円環が自らの災難に降りかかる
◆本作のポジショニング
 サスペンス □■□□□ ホラー

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・オハイオ州の田舎町。幼い頃に両親を相次いで亡くしたアーヴィンは、祖母の元で義妹レノラとともに育つ。亡き父にまつわるトラウマを抱えながらも、愛する家族を守ろうともがくアーヴィン。
・そんな彼の運命は、世俗の欲にまみれた牧師、殺人鬼カップル、腐敗した保安官らの思惑と絡み合い、暴力の連鎖へと引きずり込まれていく…。

〈見処〉
① 誰かを傷つけ、誰かに傷つけられる。
暴力の連鎖を描く、群像劇——
・『悪魔はいつもそこに』は、2020年9月にNETFLIXで配信されたスリラー映画。アメリカの小説家ドナルド・レイ・ポロックが2011年に上梓した小説『The Devil All the Time』を原作としている。
・本作はオハイオ州ノッケンスティフを舞台に、第二次世界大戦終戦からベトナム戦争に連なる戦後アメリカの暴力と欲望にまみれた人間たちが起こす負の連鎖を描いた群像劇である。
・出演は『スパイダーマン』シリーズのトム・ホランド、『IT イット』シリーズのビル・スカルスガルド、『The BATMAN』のロバート・パティンソン、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のセバスチャン・スタン、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』の ジェイソン・クラーク、
『Swallow/スワロウ』のヘイリー・ベネット、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカ。ナレーターは原作者のドナルド・レイ・ポロックがつとめている。

②結び…本作の見処は?
◎:「誰かを傷つけると、誰かに傷つけられる」…10人以上にも及ぶ群像劇でありながら、宗教的とも云える各キャラクターの暴力の連鎖により、138分の上映時間に対して、迷うことなく没入出来る作品に仕上がっている。
◎: ハリウッドの新鋭オールスターが集う豪華キャスト陣が、1940~1960年代の泥臭く化粧気もない貧困の住民たちになりきり、良い意味でオーラを消し去る演技を見せている。
▲:「暴力の連鎖の意味は?」…登場人物のほとんどが下衆。人間としての快活さを感じぬ作品は重苦しく、爽快な場面は期待してはいけない。
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