Taka

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYのTakaのレビュー・感想・評価

4.4
自分のアイコンは「スーサイド・スクワッド」のスカルアイコンであるわけだが、ちょうどTwitterを始めた時期にスースクのアイコンメーカーを見つけて、使い勝手が良いことから自分がネットに顔を出すアイコンとしてfilmarksでも使用しているわけだが、じゃあ、スースクが好きなのかと言われればそうではない。観たときは酷いと思ったくらいだ。でも、そんな中でも唯一の良点がある。それこそがマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインだ。そんな彼女を主役にした映画が本作だ。結論から言うと最高に面白い映画だった。現時点でDCEU最高傑作であることは確かです(最近のDCはホアキンジョーカーも含め傑作が続出して良いこと)。

そんな最高に面白い一本が出来上がったのは中国系の女性監督のキャシー・ヤンと本作では製作としても参加しているマーゴット・ロビーの力が大きいだろう。何が言いたいか。本作最大の関心事が女性たちが自然と肩を組み、敵をやっつけるという構造を何の違和感も持たせずにちゃんとキャラ一人一人の魅力を削がずに描くことに成功していることだ。これって数年前なら果たして出来てただろうか?「ワンダーウーマン」や「キャプテン・マーベル」といった過程を通してようやくこの地に辿り着いた感じがする。本作では女を味方、男を敵にする構造で違和感を感じなくはないが、こういう映画が2020年にあっても良いじゃないか。そういう風に思います。

そして、話の構造も最初から最後まで抜かりなかった。最初でスースクでも描かれたハーレイの半生をカートゥーンアニメ調で描いたこと、デッドプールの如く観客に喋りかける第4の壁を崩すハーレイ・クイン、時間を行ったり来たりするものの、次第にその糸が繋がっていく構成、髪を束ねながら戦うことを違和感なく取り入れたアクション…2010年代後半のヒーロー映画でやり遂げたことの総決算をしていて観ていて飽きなかった。

ジョーカーが病みってしまった現代のDCにおいて、ハーレイ・クインこそがこれからのヴィランの代表格だということを決定づけた正しく華麗なる覚醒。この映画とともにアメコミ映画の新たなる羽ばたきが始まるのです(アンゼたかしさんの字幕も今回もGood Job!)。来年公開されるジェームズ・ガン監督の「スーサイド・スクワッド」に期待だ。
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